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2019.09
日本ドリームプロジェクト編『家族への夢』ほっこりしたいときに読む本
昨日に続きまして、本のバトンリレー2冊目です。
日本ドリームプロジェクト編『家族への夢』
ぶらりと立ち寄った本屋さんで、何気なく手に取った一冊の本。
そこには、9才から103才まで36人の、これまでの「ありがとう」と、これからの「よろしく」があふれていました。
その中の一つに、吉田悠子さんという方が書いた「おなかの中にある未来」という文章があります。
お腹に子どもが宿ったときの思いを綴った吉田さんの文章の一部を紹介します。
それから、望む未来の時間が長くなった。
たとえばある日の夕方、ベランダに出ると夕日がきれいで風が気持ち良くて、
子どもの声やカレーの匂いがどこからかしたりして、そんな時、
「この子が大人になった時にも、
同じように気持ちの良い平和な夕方がありますように」と願う。
自分一人なら世界と関わる時間は、長くてもあと六十年くらいのものだ。
でもここに命が芽生えたこの瞬間から、
絶対に幸せであってほしいと思う未来が、グンと延びた。
吉田悠子「おなかの中にある未来」(一部抜粋)
それだ、と思わずぽんと手をたたきます。
自分が生きている間だけ平和であればいいだなんて思っていたわけではないけれど、この言葉に触れて、はっきりそれに気づかされました。
「僕だけの時間」を過ごしていた時代
中学生の頃、反抗期だった僕は「僕だけの時間」を生きていました。
自分だけが良ければいい。
誰にどう思われるかとか、人の迷惑とか、将来のためにとか、そんなものは正直、クソくらえと思っていたやんちゃな時代です。(不良ではなかったですw)
高校を卒業するころには、その考え方の幼さ理不尽さに気づいていました。
でも、まだまだ自分にあまく、多くの「僕だけの時間」を過ごしてしまいました。
大学生になると、少しずつ「誰かのため」という考えができるようになってきました。
塾のアルバイトをする中で、ひたむきに頑張る生徒たちに出会ったことが大きかったと思います。
この子たちのために身を滅ぼす覚悟で頑張ろうと思えたからです。
その思いは今も続いています。
社会人になってもいろいろありました。
自分が責任を持つなら、何をしたって自由でしょ?と言わんばかりの自己中心的な生活。
自立とは名ばかりで、解放された幼い人間の一人暮らしは決してまともとは言えないものでした。
毎月の給料は使い切り、電気やガスをとめられ、家賃を滞納することもありました。
「僕だけの時間」からの卒業
でも、そんな僕にも転機が訪れました。
結婚して数年がたち、こんな僕にも子どもが生まれたのです。
「僕だけの時間」を生きていた時代からの卒業。
守るべきものが増える喜び。
これまで自分を守ってきてくれた人たちへの感謝。
幸せに包まれて、子どもの入園式が楽しみで、子どもの運動会が楽しみで、温かい感情に心が包まれていくのが自分でも実感できました。
草むしりも雪かきも、それまでモノクロに見えることもあったどんな仕事にも色彩が加わり、家族のためにも日々頑張って仕事に励みました。
不思議なもので、自分のためだけに生きていたときよりも、感じることができる充実感は圧倒的なものでした。
親たちの共通の思いを子どもたちへ
たくさんの家族への思いを読み終えて、中でも親から子への思いには通じるものがあることに気がつきました。
これを読んでいる子どもたちに向けて、親たちの通じる思いを綴りたいと思います。
君は、パパに心のありかを教えてくれました。
君を思うとそこがきゅんとします。
いつまでも健康でいてください。
それが最大の願いです。
君の笑顔を守るためなら、パパは何でもするつもりです。
君のおかげで、いちばん大切なのは家族だと胸を張って言えます。
パパとママの子に生まれてくれてありがとう。
本当にありがとう。
父親代表(笑) 西川賢
次回3冊目は、子どもたちにぜひ読んでほしいあの本を紹介します。