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2016.06
大きなゴキブリと死闘を繰り広げた話。
昨夜のことです。
閉館の作業をして教室を出ようとしたとき、翌日がごみの日だということを思い出しました。
今は梅雨。
ごみを出しそびれると異臭を放つこともあることから、たとえごみ袋がいっぱいになっていなくても収集日には出そうと僕なりに注意しているのです。
カレッジのガレッジ
僕はカレッジの「ガレッジ」に向かいました。
おっと、分かりにくいことを言ってしまった。(; ・`д・´)
僕は、カレッジにある倉庫のことを、「ガレージ(車庫)」にかけて「ガレッジ」と呼んでいます。
もちろん車は置いていません。笑
倉庫であって車庫ではないが、音が似てるし意味もそう遠くないので、そんなふうに遊んでいるのです。
ガレッジは、トイレとドリンクバーの間にあります。
少し小さなドアが入口です。
魔界への扉
このドアは、好奇心旺盛な子どもたちでさえ開けたことがありません。
4月に「先生~、ここはなんの部屋なの?」と、ガレッジを指さして聞かれたことがあります。
僕はニヤリと笑って少しおどかすような口調でこう答えました。
「そのドアはあけない方がいいよ。魔界への扉だからね。」
そのとき、すぅ~~~っと、ほんとの魔界から「サムい」風が吹いた。
まったく摩擦を感じないつるっつるのゲロスベリ。笑
クスリともせずきょとんとした顔で目をぱちくりさせ、「あぁ…」と口から霊魂が抜け出るかのような相槌を打つ子どもたち。
もはや僕自身もボケたことを後悔するほどの会心のゲロスベリでした。笑
思えばまだ出会って2回目くらいのときでした。
僕の「キャラクター」もあまり浸透していないあの時期ではまだ早かったのかもしれません。
いずれにせよ、それ以来、だれもガレッジに興味を持つものはいなくなったのです。苦笑
初公開ガレッジ内部
よって、本邦初公開となる倉庫「ガレッジ」の中がこちら。
右側に見えていない部分があるので、実際の中はもう少し広いです。
天井が斜めになっているのは、2階のエステさんの階段の下に作られた部屋だからです。
しかし、ガレッジ最大の特徴はそこではありません。
倉庫としては妙に明るくないでしょうか。
実は、リフォームのとき発注したものの使用しなったLED蛍光管の設備を業者さんがここにつけていきました。
よって、カレッジの建物の中でもっとも明るい場所が、この倉庫ガレッジなのです。苦笑
界王出現
僕はごみ袋をごみ箱から取り出すため、ガレッジに向かい照明をつけました。
学習塾カレッジ唯一のLED蛍光管が設置された倉庫内を、まぶしく白い光が照らし出します。
僕はごみ箱に向かって、ゆっくり手を伸ばしました。
僕は油断していた。
一日の心地よい疲労感を身にまとい清々しいまでに油断していた。
自分が言った言葉ではないか、ここは「魔界への扉だ」と。
いや、正確にはドアが魔界への扉なのではなく、この「可燃ごみ」と書かれたごみ箱のフタこそが、魔界への扉だったのです。
扉を開くと、そこには黒光りした衣を身にまとい、長い触覚を左右に動かしあたりを物色する生物がいた。
うっおぁ!!
ったあ。(←びびったあ)
身の丈5cmほどはあろうか。
LEDの光に照射され黒い鎧がまぶしく光る。
よく見かけるサイズのゴキ…いや、魔界からの使者よりはるかにでかい。
もはや使者ではなく、界王みずからこの扉まで出向いてきたようです。
界王捕獲作戦
さすがの界王も、本来10畳以上を照らすはずだったLED蛍光管の強い光を間近で受けてたじろいでいるように見えます。
僕はそのまま袋の中に入ってくれることを願いました。
中に入ったら、そのまま袋の口をしばって出られないようにすればいいと思ったのです。
僕は無心で界王を見つめました。
この界王捕獲作戦を見抜かれてはならない。
僕は今、魔界の王と対峙しているのだ。
おお?!
まさかの狙いどおり、界王はごみ袋の中へスススススススススス~っと入っていったのです!
よしチャンス!とばかりに、僕の視界にも入らない深いところまでもぐり込んだのを確認し、僕は一気にごみ袋の端を抱え上げました。
でやっ!
僕の口から発した音は、そんな威勢のいい掛け声では、なかった。
今年の冬に40歳になるおじちゃんの口から、信じられないような恐怖の悲鳴が発せられました。
実は僕の視界から消えた界王はごみ袋の下深くではなく、僕の手前インコースに移動していたのです。
そして袋を握りしめた僕の左手そばに突然再び姿を現した界王は、僕の手の甲の上を、スススっとたしかに歩行しているではありませんか。
界王との死闘
全身に身の毛のよだつ恐怖を感じ、慌てて手を振り払い界王を地上へと落としたが、一瞬で力んでしまったせいで肩から首にかけてむち打ちのような痛みが走りました。
呼吸が荒い。
ハアハアハアハア
仕留めなければ。
僕はなんとしても仕留めなければならないと思いました。
魔界の扉を開き、この地上に放ったまま増殖されたらたまらない。
ごみ箱の下に入り込んだ界王の行方を捜し、僕はホウキを片手に一つずつごみ箱をどかしていきました。
一つ目…
二つ目…
いない。
とうとう最後の三つ目だ。
いた!!
先ほどの無心の僕とは違う、明らかな殺気と復讐の念を全身から放つ僕を「敵」と認識したのでしょう。
逃げる。
ササササササ
バンッ
バン!
ちっ、なんて愚かなミスをしてしまったのだろう。
ホウキでは先が柔らかくて、界王を引っ張り出すことはできても仕留めることはできない。
それに気づいた瞬間、僕は恐ろしい速さでホウキを捨てノールックでクイックルワイパーを手に取って界王にロックオンした!
戦いは終わった。
空を覆いつくしていた黒い雲の隙間から、光が差し込んできた。
彼の子孫が、やがて仇を討ちにやってくるのではないかと不安がないわけではない。
だが、そのときはそのとき。また全力で戦うまでだ。
尽きることのない戦い。カレッジの平和は、僕が守る。
それではまた。
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