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2020.04
緊急事態宣言、ライブ授業への思いを残しオンライン化へ。
中国の武漢で原因不明のウイルス性肺炎が確認されたという報道を耳にしたのがたしか1月くらいのことでした。
程なくして「新型コロナウイルス」と名付けられたその感染症は、当時の僕にとって対岸の火事でしかありませんでしたが…。
あれから4か月。
あの対岸の火事は、今では世界中に延焼し、見えない火の粉はすぐそばまで忍び寄って、僕たちから平和な日常を奪い去る脅威となりました。
緊急事態宣言を受けて学習塾カレッジの対応
学習塾カレッジでは感染予防に努めながら通常開校を続けておりますが、今後、国もしくは愛知県から、愛知県の「学習塾」を対象とした休業要請があった場合には、全生徒に通塾をお控えいただき、本科・個別の授業はすべてオンラインに切り替えることを予定しております。
これは、4月15日にカレッジの保護者宛てに送信したオンライン授業実施に向けた事前調査のLINEの一部です。
そしてその翌日、4月16日に全国に緊急事態宣言が発出されました。
近々来るのではないかと思って送信したわけですが、まさか昨日の今日で…。(>_<)
というわけで、カレッジも社会的責務を全うし、4月20日(月)からすべての授業を完全オンライン化(通塾不可)することを決定し、16日の夕方に保護者の皆様にLINEでお知らせをしました。
ここが変だよ「休業要請」基準
厳密に言えば、緊急事態宣言が出た今も、カレッジは「休業要請」の対象ではありません。
(愛知県「休業協力要請」について・資料2)
「休業要請」が出ている1,000㎡超というのは、テニスコート4面分以上の広さです。
「学習塾」も同じ枠内にカテゴライズされていますが、このサイズ感は実質「学校」を対象としているように思えます。もちろん大手の予備校や塾でこのように大きな施設を使用しているところはありますが。
カレッジの1階と2階の合計床面積は229.28㎡です。
それにあてはめれば、「休業要請」ではなく「協力を依頼」という一段弱いアプローチをされています。
ただ、この「床面積による分類」は、東京で同様のものが提示されたときから何度見ても首をかしげていました。
この分類は、「大きい施設にはたくさん人がいる」ことを前提として作られているのでしょう。
たしかに、1,000㎡超の巨大な建物を使用しているくらいですから、桁違いにたくさんの人を集めることができます。
しかし、大きい施設だって、人数さえ制限しているのであれば、広ければ広いほど安全だと言えませんか?
むしろ100㎡以下の教室に何十人も詰め込んでいる塾のほうがよっぽど感染リスクが高いと言えるのではないでしょうか。
この写真は、昨日の小学部本科個別演習の風景です。
いま小学部本科の59名を全6グループに分けて人数調整と時間帯調整を行い、木金の個別演習を実施しています。
玄関のドアを大きく開けて、風通しをよくした壁のない1階(床面積112.68㎡)の教室に、写真を撮っていた僕を含めて9人しかいません。
「密集」を感じますか?
僕はこの床面積による基準は何かずれていると思っています。
感染を防ぐ上で「密」を避けろというなら、基準にすべきは面積ではなく、人口密度だったのではありませんか?
というわけで、この基準に疑問を感じているからこそ、これをみて「休業要請じゃないからセーフ」とか判断するのではなく、この「基準」は基準にするべきではない、しっかりと塾として、企業として責任を持った判断をしなければならないと思いました。
たくさんの子たちに通ってもらえる塾になった責任
マスク着用、手指や設備の消毒、換気や机の間隔をあけることは当たり前にしても、120名近い塾生全員に、通塾する前に毎回検温結果の報告を義務化する塾はあまり多くなかったかもしれません。
でも保護者の皆さまにご協力をお願いして、カレッジはそれも実施してきました。スタッフもよく管理してくれました。
2階を増床したこともあり、中学部も分散して人数の密集をさけることができていると自負しています。
とにかくやれる対策はしっかりやって運営してきましたが、国から全国に緊急事態宣言が出された今となっては、「対策」うんぬんではないなと思いました。
さまざまな対策と工夫で密集を避けることはできていても、そもそも外出させないことに勝る予防はありません。
この「施設の使用停止についての協力依頼」に応じるのがたくさんの子に通っていただける塾となったカレッジの責任ではないかと考え、今回の決断に至ったのでした。
ずっとは やらないオンライン授業
学校の臨時休校が始まってから、カレッジも生徒が多く集まるものについては一部利用制限の協力をしてもらいながら開校してきました。
岡崎市の感染者数は1桁人数であること。少人数定員制であるカレッジは教室の広さに対して人数が少ないこと。春期講習期間が終わり、さらに1日の通塾者数がぐんと少なくなることなどから、春期以降は感染症予防を徹底しながら、ほぼ通常開校に戻していました。
ぎりぎりの判断で葛藤は日々続いていましたが、多くの生徒が喜んでくれ、何人もの保護者さまからお礼を言われました。
オンライン授業という案はかなり初期からありました。カレッジが運営する武田塾西尾校ではすでにオンライン個別指導を行っており、有効な手段であることは認識していました。
カレッジには速読や速読英語、アニージュニアなどで使用しているiPadがたくさんありますし、業務用Wi-Fiも導入してあり、たくさんの講師が同時使用するだけの環境があります。
つまり、授業をオンライン化するために特に設備を増設する必要はなく、オンラインで授業をするのだからいずれにしても「休業」ではないので企業としての存続が危ぶまれる事態にはならないことも想定できていました。
だから、オンライン化しようと思えばいつでもできたと考えています。
しかし、あくまで「通塾」にこだわり、画面を通さない「生授業」にこだわってきたのには当然強い思いがありました。
学校の休校が続いているときだからこそ、子どもたちに学ぶ機会と環境を提供したいという思い。
在宅勤務がはかどらないのと同様に、子どもたちも家では勉強がはかどらない子も多いという現実。
ちなみに、録画授業の配信は僕の中ではありえない選択肢でした。(一部の保護者には「最終手段」としてお話していましたが。)
カレッジの授業は映像予備校のような一方通行の授業ではありません。
直接表情を見て、反応を確認しながら、教室の空気を作り、その空気を楽しみ、熱を感じながら、生徒とのキャッチボールの中で変化しながら創り上げている温度ある「生き物」がカレッジの授業です。
どんなに科学技術が進歩しても、機械には代わりのつとまらないものがあります。 それは「親子」であり「師弟」の関係ではないでしょうか。「人」は「人」に影響を受けます。 ともに汗をかき、ともに笑い、ともに乗り越えていく中で築き上げた絆こそが「人間」を育むものだと信じています。
これは、僕がカレッジの採用情報ページに書いた文章です。
この思いは変わっていません。
本音を言えば、オンライン授業なんてやりたくありません。
クソコロナ。
苦渋の選択、オンライン授業。
安全には代えられないものとしてやむを得ずオンライン授業を導入するわけですが、そんな中でもなるべくカレッジの授業スタイルに近い形態を維持できるシステムを使いたいと思います。
Zoomですね。
一斉授業も少人数制なのが功を奏しました。
僕が全員の表情を見ながら授業をします。小1からの子どもたち相手に、どのくらいうまく運用できるかまだ未知数ですが、やれるだけやってみたいと思います。
これは、非常事態期間限定の授業です。
便利だな、家で受講できてらくちんだな。
コロナ明けもやってほしいな。
いろんな声が出るかもしれませんが、通常通り通えるようになったら基本的にはオンライン継続の予定はしていません。
来週の月曜日からZoomを使って授業を行います。
いつもの先生が、いつもの時間に画面を通して話しかけます。
最初のうちは、お互い操作方法など多少のトラブルもあるかもしれませんが、少しずつ慣れていきましょうね。
土日を使って僕たちもZoomの特訓です。(^_^)v
生きて、
必ずこの危機を乗り越えよう。