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2019.08
勉強する場所で偏差値は10変わる。
成績が伸び悩んでいるとき、見直すべきことは勉強方法や内容だけではありません。
どこで勉強しているかという「場所」も重要なチェックポイントです。
記事のタイトルに「勉強する場所で偏差値は10変わる」と書きましたが、「変わる」というのは必ずしも「上がる」とは限らず、おかしな場所で勉強していれば「下がる」こともあるでしょう。
つまり、本来取れるはずの成績と、偏差値にして10くらいちがうかもしれませんよという思いを込めたメッセージです。
でも、これは決して大げさな数値ではなく、実際に勉強場所を変えるようアドバイスして、それを忠実に実践した子たちが(もちろんそれだけが理由ではないと思いますが)偏差値が飛躍的に伸びたというデータと経験に基づいています。
家庭学習の場所として広く普及した「ダイニング」での勉強。
四半世紀 塾の講師をしてきて、面談をした組数はおそらく千を超えています。(と思いますw)
僕は面談の中で「どこで勉強しているか」ということをよく聞きます。
成績があまり良くない子、伸び悩んでいる子の多くは「自分の部屋」で勉強しています。
順調に勉強が進んでいる子、成績の良い子の多くは「ダイニング」で勉強しています。
記録を取っているわけではないので、感覚的なものになりますが、ここ1~2年の面談であれば、今述べた「多くは」は数値にすると「7割から8割は」と受け取っていただければと思います。(かなり多いですね)
いずれの場合も20年前よりも10年前、10年前よりも5年前とどんどんその数値は上がって現在に至るという感覚です。
新入学児童の学習机購入率から見る「勉強の場所」の変化。
新小学1年生といえば、一昔前は「学習机」を買ってもらうのが、園児から児童になる儀式の一つのようでもありましたが、今や(2019年)新入学児童の学習机の購入率は45.3%だそうです。(「学習机評論家のおススメ」による)
上の記事で、執筆者の方がこう書かれています。
新入学児童の学習机購入率は45.3%となります。これは昨年度と比べて約10ポイントもダウンした数字で、もう私には何が何だかサッパリ意味が分かりません。
年々学習机の購入率が下がっていく原因の一つは、おそらく「勉強する場所」が関係しているのではないかと僕は思います。
自分の部屋で勉強しないから、学習机が必要ないのです。
そういうご家庭が多くなっているのではないでしょうか。
お母さんの「気配」が学習効率を上げる。
住宅のつくりとしてはダイニングのすぐ近くにはだいたいキッチンがありますよね。
キッチンの主はお母さんです。
小学校の3~4年生くらいまでは隣に座って勉強をみてあげたというお母さんもいらっしゃると思いますが、多くの場合、高学年くらいになると徐々に勉強を教えるということはしなくなる傾向にあると思います。
かといって、お母さんはお子さんが勉強しているようすをずーっと監視しているわけでもありません。
キッチンで、ふつうに家事をしているのです。
できればテレビは消してあげるか小さな音にしてください。子どもたちはテレビが視界に入らない向きに座りましょう。
お母さんはただ近くにいるだけです。
むしろ、あまり口を出さないようにしたほうがいいと思います。
反抗期の子は親の言葉を素直に受け取りません。
結果、ふてくされて部屋で勉強するようになってしまったらもう悲劇です。
何も言わず、子どもがいつまでもボケーっとしていたら全身の毛が逆立つような「怒気」を放ってください。笑
感じるのは気配。
お母さんの気配。
それだけで勉強の効率が上がります。
「自分の部屋」での勉強が成績の伸び悩みを生む理由。
人は見られているときちんとやろうという心理がはたらく生き物です。
自分の部屋、とくに一人部屋で、ドアをしめ切って「自分だけの世界」を作ることは、何をしても誰にも何も言われない自由を手にすることと同じです。
まして、自分の部屋に漫画があったりゲームがあったり、スマホやタブレットがあったりしたら、気持ちをそちらばかりに取られてしまうことは明白です。
僕で言うなら、ネギたっぷりの横綱ラーメンと回らないお寿司屋さんの溶けるような美味しいお寿司を左右に置いて、しかもテーブルの向かい側には田中みな実と秋元優里が座ってるみたいな状況です。
集中できるわけがない。
本当に成績を伸ばしたいのなら、その自由は自分の足を引っ張るだけだと知るべきです。
自分の部屋で成績を伸ばせる子は、「自分だけの世界」でも自ら不自由さを作り出し、目的意識高く集中して取り組むことができる子です。
しかし、そんな子は少数です。
もしあなたがそうでないなら、まずは自分の非力を認めることが成績向上の第一歩です。
それでも自分の部屋で勉強したい人。
しかし、リビングではテレビがついていて小さな弟や妹がワイワイやっているなど、ダイニングでの勉強が難しい環境にある子もいると思います。
そこそこ静かで家族の気配を感じられる場所が他にないのであれば、自分の部屋でやるしかありません。
ただ、「自分だけの世界」を作ってしまわないように、次のことを守りましょう。
✔ 部屋のドアを開けたままにする。
✔ 誘惑物(漫画・ゲーム・スマホ・タブレット)は部屋に持ち込まない。
家に自分以外いないような時間帯は外にでる。
夕方、学校から帰ると家に一人きり。
両親は仕事で兄弟姉妹は遊びに出かけている。
これでは家全体が大きな「自分の部屋」になったも同然です。
母というウルサイ調教師も、父という静かなる時限爆弾も、妹というスパイもいない。
いまこの家の「主」であり「王」は自分だという恍惚感。
勉強するわけない。
ダイニングでの勉強は家族あってこそその価値を発揮するものなのです。
外に出ましょう。
塾に通っている子は、塾の自習室を利用する。
今、日本中にはコンビニよりもたくさんの塾があり、塾選びは何をポイントにしたらいいのか難しいという人もいるかと思います。
もちろん、指導形式、指導者、料金など様々な視点がありますが、「自習室」というのも重要なポイントだと思っています。
素晴らしい先生がどんなに分かりやすい授業を行っても、授業を受けているだけでは100%成績は伸びません。
週に1時間程度その教科の説明を聞いただけで、めきめき成績が上がっていくわけがないのです。
大事なのは「分かった」あとに「やってみる」ことです。
その「やってみる」場になりえるのが自習室で、それがあることは塾選びのわりと大きなポイントかなと思います。
何もちゃんと自習専用の教室になっていなくてもいいと思うのです。授業で使っていない教室を開放してくれたり、廊下やエントランスに机を並べてあるだけでも。
自習室が私語でさわがしいなどというのは論外ですが、大切なのは完璧な静寂よりも、「人の気配」だと思います。ダイニングでの「お母さんの気配」同様に、先生やほかの頑張っている人を感じることができる環境があるととてもいいですね。
カレッジのように、常時先生が自習室にいる環境でなくても(←さらっとカレッジの自習室のすばらしさを織り交ぜる技術w)、教室にカメラが付いていて先生が職員室からようすを見てくれていたり、見回りにきてくれたりするだけでも「見られている」を感じることができると思うので、どんな環境か聞いてみてください。
塾に通っていない子は、市町村の施設を利用する。
塾に通っていない人や、塾に自習室がない人は、市町村の施設を利用するといいと思います。
岡崎市内の無料で自習できる施設を以下にまとめましたので、市内の中高生はぜひチェックしてみてください。
それではまた。
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