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2018.12
受験生の冬休みの過ごし方、大晦日をどう過ごすべきか。
12月10日の小6・中1の授業を皮切りに始まった2018年の冬期講習も、昨日(12月30日)の中3「超冬」入試対策授業をもって無事に終えることができました。
中3の冬期講習は、授業時間が長いため、他学年の冬期講習が終わった後に集中的に行います。
12月前半、自宅および自習室で学校課題や学年末総合テスト範囲の勉強を進める。
12月後半、中3冬期講習期間に入ったら、塾で配布する演習教材とその復習に専念する。
学校の課題が中途半端にでも残っていると、冬期講習の演習教材までも中途半端になってしまうため、何としても前半のうちに「前半のミッション」をクリアしておいてもらう必要がありました。
授業がない期間を作ったので、前半ミッションのコンプリートは物理的にもそれほど負担なく可能なのですが、自宅では「マイペース」になってしまいがちです。
学力を伸ばす上で、最も足かせとなるのが「マイペース」です。
疲れたら休憩、眠けりゃ仮眠、だれにも邪魔されずいくらでも(゜o゜)ボ~っと「無」の境地をさまよえる「シアワセ」な環境では、勉強はできるようになりません。
だからこそ、「マイペース」を奪い、「合格のペース」に彼らを導くことが、カレッジの使命でした。
中3 ~受験生の12月~
11月の初回授業時に配布した通信で、冬期講習の概要を示しました。
12月の中3は、第一週で通常のスケジュールを行ったあと、まずは2週間の「必修自習室」に通います。
そして、午前10時から午後10時までの12時間入試対策「超冬」を、2回の日曜日ではさんで、月曜日から金曜日は「冬期講習」を毎日4時間受講します。
彼らは12月の開校日25日間のうち、22日間通塾することを宣告されました。
一般的には「うげー」な宣告かもしれません。
でも、頼もしいことに否定的なリアクションをした子は一人もいませんでした。(もしかしたら壮絶すぎて放心状態だったのかもしれませんが。笑笑)
12月に怠けたらオワル。
やらねばならぬ。
でも自分だけでやってたらなまけそう。
頭では分かっているけどちゃんと行動できるのか心配という子は多かったと思います。
僕が示したスケジュールは、自宅という極楽から、毎日無理やり飛び出すことを意味していていましたので、むしろ彼らにとっては安心につながったのかもしれません。
この12月は、中3と一緒に暮らしているみたいでした。
まさに「泊まらない合宿」状態。ほんとうによく頑張ってくれました。
全塾生、全講師の協力でインフルエンザを予防する。
12月上旬から、附属岡崎小学校でインフルエンザが流行り出しました。
他校、他学年への感染は、習い事の場で拡散されている可能性は高いと思います。
この冬は、全塾生マスク必着の厳戒態勢で予防に努めました。
実は、今の中3が中2だったころ、学年末テストの対策期間にインフルエンザの移し合いが起こりました。(苦笑)
次々にダウンして、結局学年末テストも全日欠席、2日欠席、1日欠席など少しずつずらしながら未受験全パターンをコンプリートした苦い思い出が。(/ω\)
僕はあのとき、なぜ全員にマスクを着けさせ予防に努めなかったのだろうと反省しました。
その思いが今年の対応につながっています。
結果、全学年の協力もあって、中3生たちについては誰一人としてインフルエンザにならず、無事に最終日を迎えることができました。
「受験生の大晦日」がんばる人にはいいことがある。
12月30日、「超冬」の最後の10分を使って、僕は年末年始の過ごし方について話をしました。
まずは、この1か月のがんばりをイメージしやすく数字で示します。
▻ 通常授業 :計5.5時間
▻ 日曜入試対策:計26時間
▻ 必修自習室 :計25時間
▻ 冬期講習 :計20時間
▻ 超冬入試対策:計24時間
► 総計100.5時間
ただ、これらの時間はカレッジでの勉強時間です。休憩時間もふくめた時間数になっていますが、実際には休校日や必修時間の前後など、自宅・その他の場所での勉強時間を合わせれば、余裕で100時間以上は勉強したことになるのではないかと思います。
それを言うと力強くうなずくようすを見ることができましたし、実際、僕が指示していた演習教材の質問ピックアップや授業で行うテスト勉強などもありましたので、間違いなく塾外でも勉強していたはずなのです。
まずはその自分の頑張りを、自分によくよく実感させ自分をほめたり認めたりしてやってほしいと思います。
しかし、まだ冬期講習が終わっただけで入試が終わったわけではありません。
仮に今までの自分がどうであろうとも、少なくともこの12月、君たちは自信の根拠となる努力を積み上げたのです。
せっかく積み上げた、自信の根拠となる頑張りをこの年末年始でリセットしてしまっては絶対にいけません。
さて、年末年始。どう過ごしますか?
少し話が逸れますが、たしかに君たちは受験生です。しかし、家族や親族との年始のあいさつも拒否して、部屋にこもり、もくもくと机に向かうことを僕は決して賛成しません。24時間拘束されるわけでもないでしょうに、15歳にもなって、そんな礼を欠く姿にはむしろ疑問を感じます。それにもらえるものは、もらっておきましょう¥¥( *´艸`)笑笑
ぶっ通しで起きてる時間はずっと、なんてことは言いません。
でも、12月から入試本番を迎えるその日まで、大晦日も元旦も、1日も欠かさず、たとえわずかな時間であっても集中して演習に取り組んだという事実を積み上げてほしいのです。
それは、未来の自分に自信の根拠を持たせるために。
僕は、中3にその話をする中で、ある受験生が書いた「手記」を紹介しました。
大晦日が近づくと、テレビ番組も総集編とか特番とか面白い番組がいっぱいやる。
なんか、道ですれ違う人もみんな年末と新しい年を迎える雰囲気で浮かれているように見えた。
素直じゃなかったんだと思うけど、なんか自分だけ仲間はずれにされているみたいな気分になって、そんな空気に少しムカついていた。
たぶん自分が受験生なんだっていちばん強く意識したのは、あの年末だったと思う。
クリスマスだとか大晦日だとか、世間が楽しむあの時期に、受験があるってだけで、自分は楽しむことにさえうしろめたさを感じる。
なんて不平等なんだ。
大晦日の夜、予備校の自習室から帰り、僕は自分の部屋で勉強していた。
家族は気をつかってくれたのか、テレビのボリュームをかなり小さい音にして居間でくつろいでいた。
休憩をかねて僕が風呂に入ったときだ。それまでまったく静かにしていた家族が、僕が風呂に入ったとたんテレビを見て大きな声で笑い声を上げた。
…なんなんだ、なんなんだ!なんなんだ!! そんなにおれがいるのは迷惑か!? 頭にカッと血が上って、湯船に向かってバチンッとすごい音を立ててこぶしを突き刺していた。
でも、その一発で急に冷静になったのも事実だ。
より強く意識したばかりの「受験生」という言葉が、自分を見失いかけていた僕のほおをつねった。
全力でやるって誓ったじゃないか。まわりのせいにしないって誓ったじゃないか。環境が問題なんじゃない。自分の心が問題なんだ。
誰かのせいにすれば、そりゃ気は楽になる。でもそれじゃあ、成長していかないじゃないか。
やるからには大きくなりたい。ずっとそう思ってきた。
投げ出しちゃダメ。逃げ出しちゃダメ。1日だけだからという問題じゃない。自分にあまえるな。被害妄想に走るな。おれは被害者じゃない。挑戦者だ!
やると決めたことに全力をそそぐことが、今やるべきことなんだ!
そう思って風呂を出て、居間に行って家族に伝えた。
「いいよ。もっとボリューム上げて。」
なんだか迷いがすっ飛んだように、優しい口調になっていた気がする。
そこから僕は机にむかって勉強しながら年を越した。除夜の鐘も全然気にならないくらい、集中してもくもくと勉強した。
…偶然と言うか、奇跡と言うか、集中していただけによく覚えていた。あの大晦日に必死に解いていた歴史の問題が、複数そのまま入試に出た。
もしかしたら神様がくれたごほうびなのかもしれない。
あの大晦日に神様が味方になってくれたんだ。
これを書いた「ある受験生」は、僕です。( ´艸`)
正直、いつ書いたのか記憶ははっきりしないのですが、この出来事自体はよく覚えています。
がんばる人にはいいことがあるものです。(*^-^*)
苦しければ苦しいほど、それを乗り越えてきたという大きな大きな自信になる。
自信の根拠は、おそらくそれまでに自分が積み上げてきた経験や事実だと思います。
目的を達成するための準備、努力、訓練を積み上げれば上げるほど、たしかな自信を手にすることができるものです。
根拠のない自信も存在します。
何を隠そう僕もいろんな「根拠のない自信」を持っています。笑
持っているからこそ経験談として言えるのですが、根拠のない自信はふとした瞬間にとんでもない不安と恐怖に襲われます。
ほんとに大丈夫なのか?
それは時に震えを伴うような恐ろしいものです。
「根拠のある自信」は、逆にさまざまな不安や恐怖を吹き飛ばしてくれます。
くもりのない翡翠のような、まっすぐで強靭な自信をくれます。
入試当日、試験開始を待つ緊張感の中で目を閉じて、この冬からの数か月を思い浮かべたとき、年末年始でゴロゴロ怠けていた日々、ゲームばかりに夢中になっていた時間。
そんなのばかりが思い浮かんだら、不安でたまらなくなるはずです。
一点のくもりもなく、「あの冬からの数か月、自分は1日たりとも勉強しなかった日はない。」と言えるように、くり返しになりますが、大晦日も元旦も、1日も欠かさず、机に向かって問題を解いてください。
今の自分の頑張りが、未来の自分の勇気に変わる。
苦しければ苦しいほど、強く大きな自信となって自分に勇気をくれます。
あと少し。あとほんの数か月。
ぜひ、駆け抜けてほしいと思います。
君らにとってのよい年を迎えてください。
それではまた。
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西川 賢(Ken Nishikawa)
株式会社カレッジ代表取締役
学習塾カレッジ塾長
真面目なのかふざけているのか分からないちょっとくせになるエッセイブログ「教科書が教えないリアル」を不定期更新。生徒に言われた「元イケメン先生」の「元」を取り払うべく絶賛減量中。いつの日か、本を出版したい。