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【その他編】中学校の通知表〈内申点〉にまつわるさまざまな「説」について | 学習塾カレッジ塾長 エッセイブログ

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24

2024.03

【その他編】中学校の通知表〈内申点〉にまつわるさまざまな「説」について

それでは最後に、通知表にまつわるさまざまな「説」について触れていきたいと思います。

 

 

【仕組み編】、【対策編】は以下のリンクからご覧いただけます。

 

 

 

 

【説明編】

◎「評価」と「評定」

◎観点別評価

◎観点別評価のきまり方

◎観点評価の方式別集計例
 ・観点1「知識・技能」
 ・観点2「思考・判断・表現」
 ・観点3「主体的に学習する態度」

◎評定のきまり方

 

【対策編】

◎観点別「評価の対象となる取り組み」まとめ

◎「テスト」のカットライン

 ・定期テスト・小テスト(単元テスト)
 ・ワークシート
 ・パフォーマンス課題
 ・振り返り
 ・提出物

 

【その他編】👈今ココ

◎絶対評価と相対評価、ほんとに絶対評価なのか説

◎附属中内申取れない説

◎それにしても最近、問題難しすぎない?説

◎中3の1学期、内申下がる説

◎内申にこだわる意味あんのかよ説

◎附属小の通知表意味あんのかよ説

◎終わりに

 

 

 

【その他編】いろんな説

 

それでは、長いついでに面談などでもよく相談を受けるさまざまな説とその真偽をご紹介したいと思います。

 

 

 

 

絶対評価と相対評価、ほんとに絶対評価なのか説

 

現在の通知表は「絶対評価」を基本としています。

 

 

「絶対評価」は、周囲の子との比較ではなく、それぞれの課題の目標達成度に応じて、何人でもAをつけてよいという制度です。

 

 

極端な話、全員が素晴らしければ全員Aでもよいのです。が、例えばテストで全員Aを取ってしまうような問題はそもそも作問に問題がありますよね💦

 

 

 

それに対して「相対評価」は、各学年や学級において評定「5」は何割の人数が決められていており、十分に満足できる評価を得ていても、その上をいく子がいた場合は「4」や「3」になることもある制度です。

 

 

もはやイス取りゲームですが、2001年から、「相対評価」は廃止となり、全国の通知表は「絶対評価」で付けるものとされ現在に至ります。

 

 

しかしながら、お話を聞いた学校の先生の何人かは「相対的絶対評価」に近いというお話をされていました。

 

 

というのも、あまりにも他中学とかけはなれた評定が付いてしまうと、高校入試において内申の比重が大きい愛知県のような都道府県では、出身中学による有利不利が発生してしまいます。

 

 

カットラインの段で説明した「内申インフレ」「内申デフレ」のようなことが起こると健全な状態とは言えません。

 

 

そこで、得点の状況によってカットラインの調整が行われています。つまり、少し相対評価要素を取り入れているとも考えられるわけです。(ただし、5を何人というザ・相対評価時代のようなものではありません。)

 

 

以前は、学年全体の評定平均が高すぎたり低すぎたりしないように、なるべく評定平均が3.0に近づくように調整したそうですが、最近は(おそらく先生方も経験的に塩梅がつかめてきたのか)あまりそこまで厳密にはされていないようです。

 

 

ただ、これにより事実、教科間や学校間での内申が取りやすい、取りにくいが生じていると聞きました。公平を目指したいところですが、難しいですね。

 

 

 

附属中内申取れない説

 

 

保護者面談を行う中で、多くのお母さんたちの「心配」を聞くとき、その心配のソース(出どころ)は、ママ友もしくはネットからの情報であることが大半を占めます。

 

 

しかも、中には完全な誤情報、都市伝説のような話に翻弄されかけていることもあります。

 

 

目の前で心配そうに話すお母さんに、正しい情報を提供していくのですが、最近「キリがなくなっている」と感じています。

 

 

それは、「発信源」が黙らないからです。

 

 

本来、専門家である僕たちは、出回る情報に常に批判的思考をめぐらし、真実をたしかめ、情報弱者にあたる保護者や生徒に正しい情報を提供していかなければなりません。

 

 

ところが、正しい情報の発信源であるべき我々専門家が、勉強を怠り、真偽の確認も不十分なまま、面談で誤った情報を伝えたり、閲覧数や再生数を目的に発信を乱発し「自覚なき加害者」となっていることもあるかもしれません。

 

 

地域性のある都市伝説については、ネットよりも根が深いことがあります。

 

 

誤情報も長年にわたって拡散されていくうちに真実のように信じられていき、事実を伝えても「でもみんな言っているし、、」と不安の払拭をできないからです。

 

 

数十年に及ぶ「附属中内申取れない説」は、その最たるものです。

 

 

「情報には情報で対抗」です。

 

 

 

 

まず結論ですが、「附属中内申取れない説」は情報です。

 

 

この件については、附属中学校の先生も「皆さんの中にそのような話が出回っていることは存じております。ただ、それは事実ではありません」とおっしゃっていました。

 

 

探究の課題などでの頑張りを評価する機会を多く持ち、しっかり取り組んでいる子たちに不利のない評価をしているそうです。

 

 

附属中の中にも、やはり勉強で苦しんでいる子はいて、その学力・学習状況のまま一般の公立中学校に通っていたとしたら、もっと成績は下がっているかもしれないというようなお話もされていました。

 

 

それは、多くの附属中生、近隣の市立中生を見ていて、僕自身、たくさんの通知表を確認してきた中で経験的に実感していることでもありました。

 

 

そもそも、もしそれが事実であるとするなら、附属中生の高校合格率は格段に悪いはずですでもそんな話はまったく耳にしません。

 

 

 

「附属中内申取れない説」は、相対評価時代には(説ではなく)確かに事実としてあったと考えられます。

 

 

附属中には極めて優秀な生徒もいますので、その子たちが割合指定されている「5」を独占していたら、頑張っていても「超えられない壁」が存在した可能性はあります。

 

 

そのころを経験した、当時の附属中生が、今、父親となり母親となり、20年、30年前の事実を今なお語り継いでいる「いにしえの都市伝説」かもしれません。

 

 

「附属中内申取りやすい説」というのも誤情報になりますが、決して「取れない学校」ではありません。

 

 

取れていないのであれば、その原因があるはずです。

 

 

学校のせいと決めつけてしまっては、おそらく成績が上がっていくことはないと思います。パフォーマンス課題、取り組み内容、提出状況、いろいろ見直して着実に積み上げてみてくださいね。

 

 

 

それにしても最近、問題難しすぎない?説

 

 

もはや「説」ではないですね😂 難しいです。

 

 

 

 

ただ、最近の「難しい問題」は、学校が独自に判断して出題しているとは言い切れません。

 

 

学校は文部科学省の学習指導要領に基づいて、授業計画を立て実施しています。

 

 

近年の愛知県公立高校入試の社会では、まさに学習指導要領の示す事柄の達成度を測るような問題が多く出題されています。(資料から読み取った情報を基にして社会的事象の特色や意味などについて比較したり関連付けたり多面的・多角的に考察したりして表現する力を養う、など。)

 

 

今春行われた令和6年度愛知県公立高校入試では、特に国語で過去に例を見ないほど難しめの問題が出題されました。

 

 

文部科学省が学習指導要領を新しくして、教科書の大改訂を行った年に中学校に入学したのが、この春、中学を卒業した子たちです。つまり、現在の新しい学習指導要領で3年間フルに中学を過ごした子たちの入試でした。

 

 

全教科の根底にある「国語」に力を入れることが随所に見られる学習指導要領ですので、その国語が難化したこととは無関係ではないとも思えます。

 

 

中学英語難化、広がる苦手意識 「政策の失敗」専門家が指摘する弊害

中学英語「難しくなりすぎ」の実態 苦手の子増え、学力差が拡大か

 

 

先日、時事問題を探していたら、英語について立て続けに同じような記事が飛び込んできました。正直、現場の先生方もこの急激な「変化」に困惑されている様子を感じます。

 

 

しかし、たとえ地に足が着いていないと批判されても、公立高校の入試が学習指導要領を無視して問題を作ることはありえず、その入試が難化する以上、学校も日頃から難しい問題を織り交ぜていく必要性があって、出題しているのではないかと思います。(公立入試レベルをはるかに超えた問題はいかがなものかとおもいますが💦)

 

 

 

中3の1学期、内申下がる説

 

これは、実際に学校の先生に確認したわけではないので、経験談になりますが、その傾向は大いにあると思います。

 

 

おそらく、中1・中2の頃よりよりシビアにこの記事で綴ってきた観点評価を行うからではないかと思います。

 

 

愛知県の公立高校入試では、中3の調査書(=内申書)が高校に送られますので、他の中学校となるべく評価基準を合わせていく必要があるためではないでしょうか。

 

 

ただ、1学期の評定が下がって諦めてしまえば復活はないですが、戻すを通り越して上げてやるぞという気持ちで努力を続ければ、中学校の先生も不合格にさせたいなんてことは絶対にありませんので、きちんと評価してくれると思います。頑張ってください。

 

 

 

内申にこだわる意味あんのかよ説

 

これは直接そう生徒から言われたことではないのですが、こうして内申についての話をすると、「高校入試のために自分のやりたいようにやれないのはイヤだ」と感じる子もいるかもしれません。(僕自身がそうだったような気もします😂)

 

 

僕が小学校の頃に『僕らの七日間戦争』という小説・映画がヒットしました。金八先生やスクール・ウォーズなどもよく見ていました。その中で先生が「お前ら!内申書にどう書かれてもいいのか」なんて言葉を言うのです。

 

 

生徒役の子たちが、そんな学校からの圧力に対抗していく構図が、少年西川の心をつかんでいきました。

 

 

(宗田理 原作『僕らの七日間戦争』より)

 

 

だから、成績のために先生のご機嫌取るようなのはダルいと思う子がいたとして、その気持ちはわからないでもないのです。

 

 

でも、社会人になって、経営者になって、つくづく思います。

 

 

「課題を見つけて解決に向けて何をすべきか計画し、必要な資料を集めで分析して行動する」ことができる人や「期限を守り計画的に課題に取り組む」ことができる人は、世の中で活躍しているし、企業からも顧客からも信用されて成功している人が多いということです。

 

 

実はこれ、すべて文部科学省が学習指導要領の中で目標としている人物像なんです。

 

 

通知表の成績をにこだわることは、高校入試のためとかだけでなく、そういう社会の中で必要とされる人間に近づく可能性があるんだと思ってほしいです。

 

 

 

附属の通知表、意味あんのかよ説

 

3重マル、2重マル、マルの3段階で付けられる愛教大附属岡崎学校の通知表ですね。

 

 

 

 

意味あります。

 

 

塾生は全部3重マルを取ると、塾長賞で1000ポイントもらえます👯笑

 

 

3重マルがハイパーインフレを起こしているので、気になっている方もいらっしゃるようです。

 

 

2重マルやマルが多い場合は、学校でのようすを先生に確認されたほうがよいかと思います。同時に、3重マルが多いからといって勉強については安心というのは禁物です。

 

 

カレッジでは普段通っていない外部生も受験できる「学力テスト」(学力診断型Aタイプ)という模試を行っていますので、そうしたテストで現状の学力を確認されたほうが良いかと思います。(すみません、有料です。)

 

 

 

終わりに

 

今回の記事は、先週の土日と今週の土日、計4日間(作業時間45時間超)かけて書きました。

 

 

本科コースの中学生たちに、「こんどの日曜日に通知表に関する大事なブログを更新するから絶対読むように」とお話してあったので、休日がなくなっても期限までにそれをやり遂げなければなりません。

 

 

春期講習中なので、平日はこれを仕上げるのは困難です。だからと言って翌週に延期したら、僕はみんなからの信用を損ねることになるでしょう。

 

 

このように、今みなさんがやっていることのベースである「期限を守る」ということは、社会人になってもきっとずっとついてまわることなのです。そのための訓練を今積み重ねているのだと意識してみてくれたら、きっと行動も変わってくるのではないかと期待します🤭

 

 

 

 

さて、最近、僕が毎日更新している時事問題をコピペされてますよというLINEでのタレコミがあり、確認したら僕が要約したニュースの文章までそのままだったので、コピペは事実なのでしょう。

 

 

まあ、僕もネットニュースをコピペしてあれを作っているので何とも言いにくいですが、けっこうな時間をかけて時事問題になりそうなニュースを探して問題にしていますので、自分で探せよってふつうに思っています。

 

 

この通知表ブログも、かなり有益な情報盛りだくさんなので、現役中学生、これから中学生になる小学生、その保護者はもちろんのこと、塾をやっている人たちにもぜひ共有(シェア)したい内容です。

 

 

ただ、できればコピペして記事を書くのではなく、この記事のURLを貼るか、リンクしていただけるとうれしいです。

 

 

皆さんのネットリテラシーが、この記事に「合格」をくださるなら、ぜひ拡散をお願いいたします。(「誤情報の拡散」にならないよう入念に確認をしました🤭)

 

 

 

 

 

 

 

それではまた。

 


 

 

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執筆者の紹介

西川 賢

西川 賢(Ken Nishikawa)

株式会社カレッジ代表取締役
学習塾カレッジ塾長

慶應義塾大学 通信課程 文学部 第1類在学中。
真面目なのかふざけているのか分からない、忖度ひかえめなピリ辛スパイスがちょっとくせになる「教科書が教えないリアル」は、塾長の優しさとおふざけと強い信念がつまったエッセイブログです。月に1回程度のアップでも、おかげさまで年間PV200万😊
毎日生徒と向き合っているからこそ生まれる「リアル」を、人間味たっぷりに綴ります。不定期更新なので、通知が受け取れるLINE登録がおすすめです。

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