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エッセイ「教科書が教えないリアル」

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「うちにきた天使」ハムスター 小さな小さな愛の話。 | 学習塾カレッジ塾長 エッセイブログ

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2017.07

「うちにきた天使」ハムスター 小さな小さな愛の話。

これは、僕がまだ大学生の頃に書き、当時アルバイトしていた塾の生徒に配布した文章です。

+☆+:。+・。☆+:。+・。☆+:。☆+:。+・。☆+:。

うちにきた天使

わが家の家族構成は、父、母、姉、僕、僕と双子の妹、そして実はその下に、ずっと年の離れた妹がいたのです。

彼女は生まれてからまだ2年と少ししかたっていません。

彼女の名前は、すず。

僕が名付け親です。

夏の風が気持ちよく、とても涼しい日にわが家の一員になったので、そう名づけました。

すずが家族の一員になったことで、毎日が明るく和やかになりました。

 

でも、すずは生まれつき言葉をしゃべること、いや声を出すことさえできませんでした。

だから、僕たちはすずと話をしたことはありません。

それでもすずは、小さい身体を精一杯つかって動きまわり、僕たちの心を優しくしてくれました。

 

すずは、1900円で僕が連れてきた、小さな小さなハムスターでした。

 

僕たちはすずのおかげで、けんかをすることもなくなりました。

腹が立ったとき、かごを見ると、きょとんとしているかわいいすずがいて、自分が怒っていることが本当にばからしく思えたからです。

すずは、ハムスターのくせに「まわし車」を上手に走ることができず、何度も何度も隙間に足をおっことしながらダイエットに励んでいました。

 

はじめはお母さんも「ねずみ!!」と言っていやがっていましたが、それは初日だけで、「も~!こんなにかわいい動物見たことない!」と、いちばんよく面倒を見ていました。

すずは、1カ月たつころには僕たちが「すーちゃん」とよぶと、ちいさな小屋から鼻をくんくんさせて出てくるようになりました。

どうやら自分の名前を覚えたようです。

 

すずは家の中をあちらこちらと走りまわりました。

壁をがりがりかじって穴をあけたりもしました。

本当にいたずらっこで、元気いっぱいに「とことことことこ…」と音を立てて走りまわっていました。

 

そんなすずがうちに来て、わが家は本当に明るくなったのです。

 

お父さんとお母さんは、以前よく(たまに?)激しい夫婦げんかをしていたことがありましたが、それもなくなりました。

お姉ちゃんと妹も、わけのわからないことでモンクを言い合ったりしなくなり、すずを見守りながら一家団欒。

そんな楽しい笑い声が、うちの家族を包むようになりました。

 

すずは、西川家のお姫さまでした。

 

そんな天使のような「すーちゃん」

12月10日 午後9時30分ごろ 死んでしまいました。

 

 

ここ1週間、すずは呼んでも顔を出さなくなっていました。かごの中のちいさな小屋で、さらに小さくなってあまり食事もせず、それほど動きもしませんでした。

前日12月9日、家に帰るとお母さんがすずを抱えて泣いているので僕はどきっとしました。

 

そのときはまだすずは生きていました。

でも、完全に食事も取ることができず、自分の足で歩くことさえできなくなっていました。

 

僕はすずを手にのせ、すずに声をかけました。

 

「だいじょうぶだよ、すーちゃん。こわくない…こわくない…。」

僕の目からは涙があふれ出てきました。

すずは、元気だったすずは、その柔らかくてあたたかい身体から、どんなときも何かに興奮しているように「トットットットットッ」というはやい鼓動が感じられました。

 

でもそのときのすずからは、まるで電池の切れかけた時計のように「トクッ……トクッ……」という間隔でしか鼓動を感じることができませんでした。
 
さまざまな思い出がよみがえってきました。

ペットショップのショーケースの中にいるたくさんの赤ちゃんハムスターの中で、初めてすずを見つけたときのこと。

ケースのすみっこにいたいらしく、先にすみっこで眠っている別のハムスターをふんづけてすみっこポジションを奪い取ったすず。

そして、コンコンと僕がガラス越しにケースをたたくと、もぞもぞっと起きて大きなあくびをしてみせたすず。

僕はそんなずうずうしさと、ふてぶてしさがたまらなくかわいく思えて、この子をうちの子にしようと決めました。

食べ物を口に近づけても、口の横からこぼしてしまって飲みこむ力もなくなったすずを見て、動物病院で「肥満」と診断されたすずからご飯を取り上げたことが後悔として思い出されました。

こんなことなら好きなだけ食べさせてあげればよかったよ…

壁をかじってでかい穴をあけたすずをつかまえて、「このボケすず!! 今度穴あけたら解剖するぞ!」ってにらみつけたときの、しょんぼりしたすずの顔を思い出すと、なんであんなこと言っちゃったんだろうって思う…

いたずらが大好きでよく暴れたけど、高い所が苦手で、ソファーの上に乗っかって「たかいたか~い」ってやると、急にきょとんとして反省したように静かになったすず。

冷蔵庫の後ろの温かいところが好きで、ずっと出てこなくて3時間ちかく僕たちを困らせてくれたすず。

頭をなでなですると、気持ちよさそうにあくびをしたすず。

 

あんなに元気だったすずが、手の中で眠ったことなどないすずが、僕の手の中でちいさくなって、こわいくらいに軽くなって眠ってる…。

すず…。

壁をけずっても怒らないから…。

冷蔵庫の奥に食べ物をため込んでもかまわないから…。

どんなに食べても、どんなにでぶになっても全然かまわないから…、いっぱい食べて、いっぱい走って、いっぱいいたずらしてくれよ…!

 

その晩はすずがそのまま動かなくなっちゃう気がして、ほとんど眠ることができず、夜中に電気をつけてはすずのおなかが動いているのを確認しました。

 

すずは、ちいさく、ちいさく、息をしていました。

 

運命の12月10日。

昼、出かける前に僕はすずに「だいじょうぶだよ。こわくないよ。」と声をかけ、家を出ました。

 

出先から家に電話をかけ、お母さんにすずの様子を教えてもらいました。変わりなく、ちいさな呼吸をしながら眠っているとのことでした。

 
僕は午後9時40分ごろ帰宅。

お母さんが泣いていました。

 

不安は最高潮に達し、お母さんの一言で全てが終わってしまいました。

「すず、死んじゃった…。」

僕は、すずを抱えて「大丈夫。動けるよ! 冷蔵庫の裏行ってもいいぞ! ほらいけ!!」と言いながら、我を失うような感情におそわれました。

すずの鼓動はまったく感じられませんでした。

でも、まだすこしだけぬくもりはありました。

 

生きてる!まだ死んでない!

僕はすずが死んだなんて信じたくなかったのです。

 

でも、すずはピクリとも動きませんでした…。

 

すずの、その寝顔は本当に幸せそうでした。

きっとすずも僕たちの家にきて生活したことを幸せに感じてくれていたと思います。

 

すずがわが家の一員となって、わが家は本当に明るくなりました。そして、本当に楽しくなりました。

 

すずは間違いなく、うちにきた天使でした。

 

ありがとう。すず。

 

深夜24時。マンションの下にある植え込みの奥に穴を掘ってすずを葬りました。

箱の中には、すずが好きだったりんごやビスケット、かまぼこの板でお母さんが作ったすず用のお立ち台。

そして、僕たち家族の写真を入れておきました。

 

きっと、さびしがりやのすずだから…。

 

hamu

 

+☆+:。+・。☆+:。+・。☆+:。

僕が物心ついてから、初めて飼ったペットが「すず」でした。

 

今、わが家にはハムスターがいます。

長女が飼い主として、毎日しっかりお世話をして本当に可愛がっています。

 

3匹いるハムスターのうち1匹が、先日この世を去りました。

時間とともにどんどん弱くなっていく呼吸。最期は長女の手の中で、二度大きく呼吸をしてそのまま目覚めることはありませんでした。

大好きな飼い主の手に包まれて天国に旅立てたことは、これ以上ない幸せな生き方だったのではないでしょうか。

 

泣き崩れる長女の背中をさすり、頭を抱えながら、僕は少し当時のことを思い出していました。

可愛くて、そして弱い存在。

当時の自分を振り返ると、僕は「すず」と名付けたハムスターを、わが子のように感じていたのかもしれません。

長女もきっと同じ気持ちだったのでしょう。

わが子のようにかわいがっていたハムスターを、何とか守ってあげたかったにちがいありません。

 

ごめんね、ごめんねとつぶやきながら泣く長女。

でも謝らなくていい。

その安らかな寝顔は、まるで「しあわせだったよ」と微笑んでいるかのようでした。

 

ともに生きた幸せな時間と思い出を、いつまでも大切に生きていってほしいと思います。

プロフィール

執筆者の紹介

西川 賢(Ken Nishikawa)

愛知県岡崎市の学習塾カレッジ塾長。
真面目なのかふざけているのか分からない "ちょっとくせになる"エッセイブログ 「教科書が教えないリアル」を不定期更新。
生徒に言われた「元イケメン先生」の「元」を取り払うべく絶賛減量中?
趣味:海釣り
行きつけの店:横綱ラーメン安城店
好きな女子アナ:田中みな実
いつの日か、本を出版したい。

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