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エッセイ「教科書が教えないリアル」

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「批判的思考」愛教大附属岡崎中の定期テスト良問紹介 & 恐怖「Chat GPT」とのやりとり | 学習塾カレッジ塾長 エッセイブログ

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16

2023.04

「批判的思考」愛教大附属岡崎中の定期テスト良問紹介 & 恐怖「Chat GPT」とのやりとり

学習塾の講師の中で、文科省が発表する「学習指導要領」に目を通している人は、おそらく多くはないのではないでしょうか。

 

 

実は、僕は数少ない「目を通している」一人です。( *´艸`)

 

 

毎年、新学期を迎える前に新中1の生徒と保護者向けに「進学説明会」を行っていますが、そこで話す内容についてのエビデンス(根拠)を得るために目を通し始めたのがきっかけでした。

 

 

これには学校教育が目指すものがはっきり書かれているため、最近の高校入試や定期テストの出題傾向の変化が、これらの学習指導要領に沿っているものだと認識できます。

 

 

ですから、難易度の変化はともかく、出題傾向の変化はそれほど驚くことではなく、「学習指導要領に書いてある内容」の回収と言えます。

 

 

(それでも今年の愛知県高校入試の「社会」の出題傾向の大幅な変化にはびっくりしましたが。苦笑)

 

 

 

学習指導要領を確認することは、塾で行う授業においても役立つことだと思っています。

 

 

それは、学習指導要領が重きを置くポイントは、学校が重きを置くポイントでもあり、出題されやすいポイントでもあるからです。

 

 

 

 

 

すごくいい(^o^)丿学習指導要領への個人的見解

 

 

出題傾向を知り、授業内容に反映させるという「塾」的な目的とは別に、僕は現在の学習指導要領は「すごくいい」と思っています。

 

 

急速に進む情報化社会・国際社会にどう対応していくべきかということが主要5教科全体にその基礎として埋め込まれている印象を受けます。

 

 

僕は、学校にはあまり「塾化」してほしくない(小学校はもう少し塾化して。苦笑)と思っているので、これからの社会を生きていく上で理解・認識しておかなければならない知識や技術を授業で扱うことに大賛成です。

 

 

ただ、4/16のNHKの日曜討論で尾木ママが言ってましたが、現在の学習指導要領が実施されるタイミングでコロナ禍が始まってしまったので、実際の学校現場で思ったように取り組めていないという見方もあるようです。

 

 

あわせて「コロナが落ち着いた今後に期待したい」とも言っていました。ほんとですね。

 

 

 

 

批判的思考(クリティカルシンキング)

 

「情報を正確に読み取る能力や、情報を鵜呑みにせず真偽と妥当性を検討すること」は、これからの社会を生きていく上で必要不可欠な能力だと思います。

 

 

このことの確認、実践の一つと思える問題が愛教大附属岡崎中の1年生(数学)で出題されていました。(みなさんも解答までスクロールするのをストップしてぜひ考えてみてください!)

 

問 ミニトマト好きの主理くんは、このグラフを見て、トマトノビール(成長薬)の効果に驚き、早速、購入しようとしています。

このまま購入してしまうと、主理くんはだまされてしまいます。次のグラフを見て、その理由を記述しなさい。(3点)

 

(愛教大附属岡崎中・令和3年度1年生学年末テスト「数学」より)

 

 

 

模範解答が視界に入ってしまわないようにするため、少し話を引っ張っりますが、この出題例は、今年のカレッジの進学説明会でも紹介し、生徒・保護者に考えてもらう時間(1分)を取りました。

 

 

模範解答を発表したときの「うわホントだ!」「えぇえぇぇ!?」という驚嘆の声と表情に教室が包まれたのが印象に残っています。( *´艸`)

 

 

 

さて、この問題についての学校の模範解答です。(^o^)丿

 

 

 

 

批判的思考(クリティカルシンキング)「情報を正確に読み取る能力や、情報を鵜呑みにせず真偽と妥当性を検討すること」の実践として、中1の子たちにも起こり得る身近な出来事に置き換えて出題された良問だと思いました。

 

 

出題された先生のお名前までは存じ上げませんが、さすがです。ぜひこういう問題を増やしていただきたいです。( *´艸`)

 

 

 

 

Chat(チャット)GPTには特に批判的思考を。

 

 

投げかけた質問に対して対話形式でAIが回答してくれるChat GPTがものすごく話題ですね。

 

 

その能力を何か活用できないかと、各分野で新たなビジネスも誕生する気配を見せていますし、既存の業務の効率化も図れるのではないかと模索が始まっています。

 

 

LINEなどでもChat GPTは使えますが、それだと完成された文章が送られてくるので、実際にしゃべっているかのように文字列が進行していくweb版(スマホOK)のほうが僕はすきです。( *´艸`)

 

 

 

 

すごいですよね。( *´艸`)

 

 

ところで、地元のみなさん。

 

 

コイツめっちゃ嘘ついたのにお気づきでしょうか。”(-“”-)”

 

 

例に挙げてくれた4つの塾

 

1.岡崎市個別指導学院

2.岡崎駅前個別指導ゼミナール

3.スタディーサポート岡崎校

4.岡崎市河岸町の進学教室スピード

 

これらは1つも存在しません。

 

 

4にいたっては、岡崎市に河岸町が存在しません。Σ( ゚Д゚)

 

 

先ほどの流ちょうな文字列の進行が、まるで饒舌にしゃべる人のように感じられるだけに、息を吐くように誤情報を垂れ流す「このコ」への不信感が生まれました。

 

 

実際の対面で、「人」に、自分のあまり詳しくない分野についての質問を、このように流ちょうに、饒舌に語られたら、「そうなんだぁ」と思ってしまうことがあるかと思います。

 

 

それと同じ感覚にさせられるかのように、あまりにも堂々と誤情報をペラペラしゃべるので、ささやかでも警鐘を鳴らしたいと思いました。

 

 

ただ、ブームに水を差したくはないのでコミカルな音楽をつけてSNSにアップしました。笑

 

 

 

後日、リンクをつけるなど、具体的にするとよいという話をきいたので、カレッジのブログページのリンクをつけて別の質問をしてみました。

 

 

 

すると、やはり間髪入れずつらつらと回答が始まりました。

 

 

 

 

こんな感じでいくつかリンク付きで紹介してくれました。

 

すごくほめてくれる。(^o^)丿

 

 

けど、コイツまたやってんな。”(-“”-)”

 

 

例に示された記事も、そのリンクも存在しません。

 

 

情報を鵜呑みにすることの危険性をひしひしと感じます。

 

 

追及する質問をしてみました。

 

 

 

すると、まさかの回答が返ってきました。

 

 

 

 

私が提示したリンクが架空のものであったことはありません。

 

私が偽情報を提供することはありません。

 

 

“(-“”-)”

 

 

ツッコミを入れられて、感情を持たないAIも焦ったのか、得意の文章表現の後半一文目がすこしおかしな日本語になっています。

 

 

明らかなカンニングを目撃したのに「してません」と立ち向かってくる生徒のように思えて(笑)職業病、いえ性分でしょうか、スルーしてあげることができませんでした。(^▽^;)

 

 

 

 

そして、認めました。”(-“”-)”

 

 

 

 

謝る生徒に声をかけるように

 

 

「分からないことは分からないと言うべきだし、間違えることは悪いことじゃないんだから、やってしまった過ちははじめから素直に謝るんだよ。期待してるんだから頼むよ!」

 

 

とは、ならない。

 

 

コンピュータにもミスはあります。それは当然理解していますが、指摘に対して、この提示したものが誤情報だったことはないと反論する姿勢には今後のさらなる進化に恐怖を感じます。

 

 

 

批判的思考(クリティカルシンキング)やネットリテラシー、そもそもの読解力が未熟な人や学生がこれを乱用することには、今のところ僕には懸念しか浮かばないです。

 

 

 

「すごいAI」「なんでも知ってる」などという前提に立つことがないよう、その前提を疑った上で真偽と妥当性を検討しながら、有効に活用していく必要があります。

 

 

 

このままでは大谷翔平の二刀流を批判していた評論家

 

 

こうしたAIを使いこなせるかどうかが、今後はさまざまな格差を生むと言われています。

 

 

Chat GPTについては、今のところあまりポジティブな見解を示せていませんが、

 

 

かつて大谷翔平がプロ入りしたとき、彼の二刀流についてこっぴどく批判していた野球評論家のようになってはいけないと、自分に「喝」を入れます。(=゚ω゚)ノ

 

 

僕の狭い常識の枠内で見て、その「可能性」に洞察がおよばず、ただ否定的なことだけ言っていてはいけないと、現段階のものでも、何か有効に使えないか少し考えてみました。

 

 

 

プログラミング?

 

Chat GPTはシンプルなコードも書くことができるようです。

※参考「Chat(チャット)GPTのGPT-4とは?何がすごい?無料版はどこで使える?

 

 

ただ、「どの程度のコードが書けますか」という質問を、先ほどの問答のあとにしたせいか、すこし謙虚な回答が返ってきました。

 

 

 

なるほど。

 

うちの業務や、塾内で生徒たちが使えるアプリなどさらっと作ってもらえるならと思いましたが、すこし時期尚早のようです。

 

 

さらなるバージョンアップに期待したい気持ちと、ますます進化してAIが開発者の意図に反した行動をできるプログラムを自分で生成してしまわないか心配に、、、おっと。今は建設的なことを考える時間でした。

 

 

プログラミングの演習で、自分が書いたコードとの比較とか添削などを行えたりしませんかね。

 

 

 

ブログの執筆?

 

僕が書くブログは、更新頻度こそ低いものの1本書くのにそれなりの時間がかかっています。

 

 

例えば今書いているこの記事は書き始めてすでに8時間以上経過しています。(PIXTAで写真を探したり推敲したり調べたりする時間込み)

 

 

平日に取り掛かると授業もあるので、数日にわけて書くこともあります。

 

 

このように、かなり時間を要するので、AIが文章生成してくれたら、たっぷり時間を生み出すことができます。

 

 

でも、僕がブログをChat GPTに書かせることはあり得ないです。

 

 

そもそも、僕が書く文章は、Chat GPTには書けないと思っています。(彼、お行儀良すぎるから笑)

 

 

 

 

僕は、書かなければならないという「義務」としてブログを書いているのではなく、自分の思いを伝えるために信念をもってブログや通信を書いています。

 

 

個人塾のブログの良さは、そうした書いている人(先生)の考え方がにじみ出るところにあると思っています。

 

 

それに共感してくださる方もいれば、むしろ拒絶反応を示す方もいるかもしれません。(それはそれでいいと思います)

 

 

資料(データ)記事とかならまだしも、先生(特に塾長)の考え方が含まれる記事は、その塾の理念にも直結するところがあり、感情を持たないAIが書くようなものではないはずです。

 

 

ここで思いを発信することは、授業、生徒対応、保護者対応に匹敵する僕にとって欠かせない時間です。

 

 

けどちゃんと授業やテスト対策の準備もしていますよ。昨日、今月下旬に入学後最初の定期テストがある附属中1年生のカレッジテスト全教科作成完了しました。( *´艸`)ガンバロウネ!

 

 

ブログを書く時間は、決して効率化して削減するべきものとは思っていません。

 

 

だから、Chat GPTが僕に代わってブログやSNSの発信をする選択肢はありません。

 

 

(なんて言いながら、僕の記事にChat GPTお得意の箇条書きが多用されるようになったら、もしかして、、って思ってください。)←箇条書きしにくくなった笑

 

 

 

感想文・小論文の執筆や添削?

 

Chat GPT自身が自分でも言っているように「主な機能は、言語処理と文章生成」ですから、書いた内容を添削してもらうのはいいかもしれません。

 

 

ただ、読書感想文にせよ、小論文にせよ、一から書いてもらうことはおすすめできません。

 

 

AIに代筆させたものを提出するなんて、という問題以前に、ぜんぜん本の内容を理解していないのに、例によってつらつらと「それっぽい」読書感想文を提示してくることがあるのです。

 

 

小説の神様といわれた志賀直哉が、生と死について考えた実体験が綴られたと言われている『城の崎にて』の感想文を依頼してみました。

 

【僕】志賀直哉の「城の崎にて」の読書感想文を400字以内で書いてください。 ただし、小学生が書く表現を使ってお願いします。

 

そして、Chat GPTが提示してくれた読書感想文がこちらです。

 

【Chat GPT】

「城の崎にて」は、とてもおもしろいお話でした。登場人物のお姉さんは、お城にいる王様に会いに行くために、毎日お弁当を作っていました。でも、ある日、お姉さんはお弁当を忘れてしまって、とても悲しい気持ちになりました。

 

その後、お姉さんは海で泳いでいると、とてもかわいい生き物に出会います。その生き物は、お姉さんのためにお弁当を作ってくれたんです!お姉さんはとても感動しました。

 

このお話の中で、私が一番印象に残ったのは、お姉さんがお弁当を忘れたときの気持ちです。私も、忘れ物をしたときには、とても悲しくなります。でも、このお話を読んで、自分も誰かを助けることができるかもしれないと思いました。

 

そして、お姉さんが出会った生き物は、とてもかわいらしかったです。私も、こんなかわいい生き物に会って、おいしいお弁当を作ってもらいたいなと思いました。

 

このお話は、友達や家族と一緒に読んで、感動したり、笑ったりすることができると思います。私も、また読みたいと思いました。

 

 

 

いや何の話?!(;^ω^)

 

 

まったく異なる話(実在するかどうかは不明)の感想文を、このように書くこともあるようです。

 

 

うっかりそのまま提出したら、すぐバレるので評価だけでなく信用も失ってしまうかもしれませんね。

 

 

やはり、創造性のあるものではなく、自分が書いたものを添削してもらうくらいが、現段階ではちょうどいいのかもしれません。

 

 

 

 

要約問題の模範解答例作成?

 

今のところ、あまり有効な活用方法が見つかっていませんが、Chat GPTは文書処理(要約など)が得意です。

 

 

もう愛知県の公立高校入試からは、要約問題が消滅してしまいましたが、要約自体は読解と表現と両方の練習ができる有益な学習なので、これからも生徒の状況や課題によっては要約問題を練習することがあるかもしれません。

 

 

これもためしに、愛知県の公立高校入試で過去に出題された実際の問題をやってみてもらいました。

 

【僕】次の文章を、あとの条件に従って要約してください。

(文章)
科学とは、疑いを抱くことから始まり、厳しい条件を克服して、真実を見抜く行為である。現代人は時間が加速されているせいか、この手続きを踏むことを省略するようになってしまった。物質的欲望に駆られているから、一足飛びに結論を得ることを望むのである。科学の時代であるにもかかわらず、アルキメデスの時代と比べて、むしろ科学とは縁遠くなったと言うべきなのだろうか。

 

(条件)
「むしろ科学とは縁遠くなった」とあるが、その理由を要約して、六十字以上七十字以下で書きなさい。ただし、「手続き」、「物質的欲望」という二つのことばを使って、「現代人は、……」という書き出しで書き、「……から。」で結ぶこと。二つのことばはどのような順序で使ってもよろしい。

 

(注意)
・句読点も一字に数えること。
・文は、一文でも、二文以上でもよい。

(平成25年度愛知県公立高校入試・学力検査「国語」より)

 

 

このように、今年以前は文章の1つの段落が指定され、条件に従って要約する問題が出題されていました。(なるべく短めのを選びました)

 

これはイケる気がする!という期待で回答を読みます。

 

 

【Chat GPT】

現代人は時間が加速され、科学の手続きを省略し、物質的欲望に駆られているため、一足飛びに結論を得ようとする傾向がある。科学の時代であるにもかかわらず、アルキメデスの時代と比べて、むしろ科学とは縁遠くなってしまったと言える。

 

 

✕ 字数オーバー(110字)

✕書き出しと文末の指定無視

 

 

「条件」について、何回か指摘してみましたが、だめでした😢

 

 

でも、これだけで使えないと決めつけてしまったら「喝!」出されちゃいます。

 

 

もう少し長い目で見ながら、付き合っていきたいと思います。

 

 

 

 

それではまた。

 

 

 

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執筆者の紹介

西川 賢

西川 賢(Ken Nishikawa)

株式会社カレッジ代表取締役
学習塾カレッジ塾長

慶應義塾大学 通信課程 文学部 第1類在学中。
真面目なのかふざけているのか分からない、忖度ひかえめなピリ辛スパイスがちょっとくせになる「教科書が教えないリアル」は、塾長の優しさとおふざけと強い信念がつまったエッセイブログです。月に1回程度のアップでも、おかげさまで年間PV200万😊
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