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エッセイ「教科書が教えないリアル」

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学校の先生が「あきらめさせ屋」になってしまう理由 | 学習塾カレッジ塾長 エッセイブログ

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24

2018.06

学校の先生が「あきらめさせ屋」になってしまう理由

少し日にちが経ちましたが、サッカーW杯初戦、勝ちましたね。!(^^)!

 

 

今夜のセネガル戦も、ぜひぜひ日本中に歓喜の渦を巻き起こしてほしいと思います。

 

 

 

たとえにわかと言われても、日本代表を応援したい。

 

僕は野球もサッカーも普段はそれほど観戦(視聴)する方ではなく、夜のスポーツニュースで目にする程度です。

 

 

でも、サッカーのワールドカップや野球のWBC、そしてもちろんオリンピックなどになると、ものすごく応援します。

 

 

僕のようなにわか仕込みのファンは、年季の入った熱狂的ファンからは煙たがられることもあるかもしれません。

 

 

だいぶ以前ですが、ある熱狂的なファンの方がこんなことを言っていました。

 

 

「普段は見向きもしないくせにW杯だけ乗っかってくるやつらうざい」

 

 

足しげく全国のスタジアムに駆け付け、声を枯らして本気で応援されている方々には、たしかに僕のような期間限定ミーハー野郎はうざい対象なのかもしれません。(T_T)

 

 

でもどうか許してください。

 

 

僕は応援したいのです。

 

 

普段プロ野球は見ないけど、WBCになったら日本を応援したいのです。

 

 

普段Jリーグは3つくらいしかチーム名知らないけど、W杯になったら日本を応援したいのです。

 

 

普段陸上競技なんてどこで大会が行われてるのかも知らないけど、オリンピックになったら日本を応援したいのです。

 

 

 

だって僕は日本人だから。

 

 

命を奪い合うことなく、それでも命がけで戦ってくれている日本代表を応援したいと思います。

 

 

 

 

カープ女子ウケるw

 

近年、「カープ女子」というプロ野球の広島カープを応援する女子たちが増殖してちょっとしたブームになりましたね。( *´艸`)

 

 

バラエティ番組の企画で「カープ女子」に野球のルールや広島カープについて質問するコーナーがありました。

 

 

 

 

結果、野球のルールもカープのこともほぼ分かっていない子がたくさんいたことが分かり番組を盛り上げていました。(*‘∀‘)神回w

 

 

でも選手たちは、きっとルールも知らない素人たちであっても、応援してくれるファンを区別することなく、その声を背に受けて全力でプレーしているのではないかと思います。

 

 

応援に素人も玄人もないのです。

 

 

多くの声援が選手たちの力になるのですから、日本中でみんなで応援していきましょう。

 

 

 

負のジンクスを受け入れない

 

僕はW杯限定のミーハーですが、一つだけ胸を張れることがあります。

 

 

今回のW杯最終予選の初戦で、日本はUAEに負けました。

 

 

その試合の実況で、そしてその試合を伝える報道で、何度も何度も聞かされた「あの話」、覚えていらっしゃいませんか?

 

 

「過去に、W杯最終予選の初戦で負けたチームが本戦の出場権を取った例はない。」

 

 

僕ははっきり覚えています。

 

 

一説によると、いまいち盛り上がりに欠けるW杯予選に「決して負けられない一戦」と喧伝することで注目を集めたかったのではと言われていますが、実際に負けてしまったことで、逆に巷にあきらめムードが広まってしまいました。

 

 

僕が胸を張れること、と言ってもほんとに小さなことですが、僕はそんなジンクスを何度聞かされても、決して「じゃあもうダメじゃん」なんて思わなかったということです。

 

 

過去の統計が何?

 

 

今まで誰も成し遂げたことがないから何?

 

 

最初の1試合目に負けたチームは、本戦に出場できないというルールがあるわけでもない。

 

 

本戦に出場する全チームが、無敗で出場権を獲得しているわけでもない。

 

 

あきらめてたまるか。

 

 

だまれセルジオ越後。

 

だまれ張本勲。

 

 

士気を下げる小言は、スーパー銭湯のサウナの中ででもつぶやきあっていただきたいです。笑

 

 

 

そして、そんな「統計」を打ち破り、見事日本代表は今回のワールドカップへの出場権を獲得したのでした。

 

 

仮に統計が「前人未踏」を示しても、道ある限りあきらめなければその地を踏むこともできると証明してくれた日本代表です。

 

 

 

誇るべきサッカー日本代表。

 

 

頑張ってください。応援しています。

 

 

 

過去のデータという貴重な「根拠」

 

 

職業柄、僕も「過去のデータ」はとても大切にしています。

 

 

受験生の三者面談などでは、いつも「過去のデータ」を見比べて志望校の合格の可能性を分析します。

 

 

具体的にはこれです。

 

 

 

これは、愛知全県模試が入試後に集計してまとめてくれる「愛知県公立・私立高校入試/合否追跡調査資料」の一部です。

 

 

愛知全県模試受験者の入試結果を高校別に分布図にして示してくれる進路面談必携の資料となっています。

 

 

1年分だけでは微妙ですが、これを数年分並べると、各高校のボーダー内申(最低ライン)もおおよその判断がつきます。

 

 

そういった「過去のデータ」を元に「あと2つ内申を上げておくと可能性はぐっとあがるぞ(=゚ω゚)ノ」とか「まず大丈夫。むしろその内申で落ちたら、後輩たちに強烈な不安を与える逆伝説になっちゃう(; ・`д・´)」などと話すのです。

 

 

愛知全県模試に参加していた多数の塾から回収されたデータ数はおよそ19,100名に上ります。(2017版)

こういったたくさんの生徒たちのデータは、うちのような少人数制の個人塾には非常にありがたいものです。

 

 

これがなければ、僕も学校の先生のようにならざるを得ないかもしれません。

 

 

 

学校の先生はあきらめさせ屋?

 

 

たまに受験生と話をしていて、「学校の先生に、内申〇〇で△△高校に合格した人はいないって言われたんですけど…」という話を聞きます。

 

 

僕は10年以上愛知全県模試の追跡データを見てきていますので、その話の信ぴょう性は資料を確認しなくてもだいたい分かります。

 

 

だからだいたいそういう話が出たら、本人にも資料を見せて「その先生が知ってる中には、いなかったってことだね」と言って幕引きです。

 

 

そもそも中学校の先生は、生徒に挑戦校受験を回避させる「あきらめさせ屋」みたいな進路指導をする先生ばっかりです。

 

 

もちろんそうでない先生もいるとは思いますが、少なくとも僕が岡崎幸田の地で塾講師として生きてきた十数年で見聞してきた学校の先生はそんな方がほとんどでした。

 

 

僕の叔父は県内某市の教育長をしていますし、義理の弟は現役の教員です。岡崎市内にも知り合いの教職員はたくさんいます。

 

 

でも、そこに忖度するつもりはありません。

 

 

僕は自分が感じた事実をお話しているのです。

 

 

一つの塾が提供する情報でないからこその信用

 

ちなみに、愛知全県模試の追跡データ資料は複数の塾から提出された合否結果であり、1社(1塾)単独の資料ではありません。改ざんの疑いはゼロです。

 

 

仮にたくさんの不合格者が出ていても、どの不合格者がどこの塾に通っていたのかなどはまったく分からないので、それを隠す理由がないのです。

 

 

全国には各都道府県ごとに自社模試を行い自社独自の入試データ集を発行する大手塾もありますが、1社単独の資料の場合、不合格者の分布などは載せないのが一般的です。

 

 

こんなに落ちてるの…?という印象を与えかねないからです。

 

 

そういった大人の事情は分かりますが、残念ながら不合格者の分布記載がないものは、資料価値としてはかなり下がるものと言えてしまいます。

 

 

 

あきらめさせる理由

 

 

なぜ学校の先生は「あきらめさせ屋」になってしまうのでしょうか。

 

 

まず「公立の不合格者を出すと先生の人事評価が下がる説」ですが、これについては知り合いの現職学校教員何人かに聞いてみたことがあります。

 

 

これは「ない」というのが結論です。

 

 

ただし、「評価」で言うなら、人事評価ではなく保護者からの評価が下がり「心配な先生」に格付けされてしまうのを避けたい心理はあるかもしれません。(苦

 

 

 

次に「リスクよりも安定を選ぶ公務員気質説」ですが、それはまあ……なるほど。分かりません。苦笑

 

 

この説が言おうとしているリスクとは違うと思いますが、別の意味でのリスク回避は多少あると思われます。

 

 

入試は最終的に自己責任ですが、最近は不合格になったことの責任を学校に追及するケースもあるようなので、そういった残念な保護者のために学校が安全策を取らざるを得ないという事情です。

 

 

そして「資料なさすぎてGoサイン出したくても出せない説」です。

 

 

おそらくこれは確定でしょう。(゚Д゚)ノ

 

 

学校には偏差値の出る業者模試もありませんし、岡崎市幸田町内の中学校で共通の問題を使用して行われている「岡崎学力テスト」という実力テストも、せっかくやっているのに中学校間で成績の共有や情報公開を行っていません。

 

 

出せて「校内順位」と「去年同じくらいの点数を取った先輩が不合格になった」という思い出情報くらいなものです。

 

 

あまり意味がありませんね。

 

 

中学校ごとに平均学力も異なるわけですから、その情報公開も行われないまま出された校内順位では、愛知県内どころか市内のおおよその相対的学力すら分かりません。

 

 

それに、「去年と同じくらいの点数の子がうんぬん」の話は、毎回その話は無意味だと説明するのもめんどくさいと感じるほど頻繁に耳にしますが、指導の根拠にする材料がなさすぎる学校が、苦し紛れに言い放っているものとしか思えません。

 

 

毎年問題は変わりますし、難易度も一定ではないことから平均点も異なります。

 

 

そんな「別の問題」の素点の比較で「同じ点数の先輩が不合格になった」などと、ほんとか嘘かもよく分からない「思い出話」を聞かされても時間の無駄です。

 

 

 

学校の先生に同情する気持ち

 

 

自分の生徒の相対的学力も分からずに、進路指導する恐怖は計り知れないものがあります。

 

 

その子がどんな武器を装備していてどれだけ使いこなせるのかも分からずに戦場に送り出すようなものです。

 

 

そりゃ躊躇するでしょ。

 

 

というわけで合否ラインについての判断が難しいことには少し同情はします。

 

 

一部の他県のようにある程度塾に任せる仕組みにするか、それが無理なら、長年入試に携わり地元事情も熟知している僕みたいな人間を講師として招いて先生たちにセミナーをさせるとかしてほしいものです。

 

 

合否ラインどころか、入試制度もよく知らずに生徒保護者を不安に陥れる教員が後を絶たないのは悲劇でしかありません。

 

 

または、偏差値の出る業者テストの学校実施を復活すれば、可能性をつぶすような進路指導も少しは減ると思うのですが。(これは学校というか行政ですかね)

 

 

 

 

 

 

過去のデータだって完全ではない

 

 

受験指導にあたって、直観や経験に頼らない客観的データは必要不可欠なものです。

 

 

しかし、そんな過去のデータすら「絶対」ではないのです。

 

 

事実、先ほどの「合否追跡調査資料」は回収データが約19,100名だと先ほど書きましたが、同年の愛知全県模試受験者は約37,000名です。

 

 

つまり、およそ半数の入試データは不明のままなのです。

 

(これは調査用紙未提出の塾の多さを物語ってもいます。自分たちが恩恵を受けるものなので、同業者の皆さんは必ず提出していただきたいものです。

全県模試は、未提出塾の塾名を公開するのに問題があるならば、提出した塾名を公開して提出状況を事実上知らしめるような厳しい対応で回収率を上げてほしいと希望します。)

 

 

仮に愛知全県模試受験者の全データが掲載されたとしても、それでも愛知県の高校受験者およそ70,000名のデータとはかけ離れています。

 

 

つまり、「合否追跡調査資料」ですら受験者全体のほんの一部であって、その分布図に掲載されていない受験生たち(隠れデータ)が何倍もいるのです。

 

 

合格最低内申点に10以上も足りないような無謀な挑戦ならいざ知らず、1とか2とか不足しているくらいで

 

過去の統計資料に合格者が掲載されていないからと、本人の潜在能力も努力も一考だにせず「受からない」と断定するようなことは決してしませんし、してはいけないのです。

 

 

むしろ、冒頭のサッカーの統計のほうが「隠れデータ」すらない、本当の前人未踏だっただけに厳しいものだったのではないかと思います。

 

 

まもなく高校入試説明会

 

もちろん精神論だけで乗り切れるほど受験は甘くありませんので、厳しい現実はきちんと伝えます。

 

 

公立高校を希望している場合、ダブル落ち(2校とも不合格)だけは絶対に防ぐ責任がありますので、2校目の受験校を少し調整するように話すこともあります。

 

 

きちんと伝えたうえで、第一志望校に合格するための具体的な方法と、さらなる努力の必要性を理解させ、導いてやるのが僕らの仕事だと思っています。

 

 

まもなく、今年の受験生たちの「高校入試説明会」が行われます。

 

 

あの「死にかけた日」から1年。月日が経つのは早いものですね。苦笑

 

 

 

 

今年は、塾生の通う全中学の期末テストが終わった日(6月29日)の夜に実施します。

 

 

中3生諸君、ならびに保護者の皆さん、受験のことは任せてください。(‘◇’)ゞ

 

 

今はとにかく、期末テストに向けて猛進してほしいと思います。

 

 

前回を上回る好成績を期待していますよ!!(^^)!

 

 

 

それではまた。

 


 

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執筆者の紹介

西川 賢

西川 賢(Ken Nishikawa)

株式会社カレッジ代表取締役
学習塾カレッジ塾長

慶應義塾大学 通信課程 文学部 第1類在学中。
真面目なのかふざけているのか分からない、忖度ひかえめなピリ辛スパイスがちょっとくせになる「教科書が教えないリアル」は、塾長の優しさとおふざけと強い信念がつまったエッセイブログです。月に1回程度のアップでも、おかげさまで年間PV200万😊
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