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エッセイ「教科書が教えないリアル」

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誕生 | エッセイ「教科書が教えないリアル」

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04

2017.09

誕生

category: エッセイ

「久しぶりだね~!どこ行くの?」

 

 

西川賢、19歳。

高校卒業後、大学受験をするため浪人生活を送っていた僕は、

ある日、予備校に通う途中で偶然中学時代の友人に会った。

 

彼女は中学時代から上品な明るさがあり、顔立ちも美形。

でも気取らず男子にも気さくに声をかけてくれる、そんな子だった。

中学時代、そんな彼女を好きだった男子を僕は何人か覚えている。

卒業して5年近く経っても当時と変わらない、いや少し大人っぽくなってますますキレイになった彼女との立ち話が、

僕の人生を大きく動かすことになろうとは、このときはまだ気づいていなかった。

 

 

これは、「塾講師西川賢」が誕生するまでの

汗と涙と妄想の日々の記録。

 

 

 

 

「今から予備校行くんだ。えみちゃんはもう仕事してるの?」

 

彼女はスーツ姿だった。

だから僕はてっきり彼女は高校卒業後、すぐに就職をしたのだと思いこんだ。

 

1

 

 

僕の目線がスーツに行ったこともあり、服装でそう思ったんだなと察したように

彼女は着ているスーツをポンと触りながら言った。

 

「えー ちがうよ~。大学行ってるよ。これはね、バイトだよ。塾講の。」

 

 

「ジュクコウ?」

 

当時の僕は、塾の講師を「塾講」と略すことすら知らなかった。

というより、大学生がバイトで塾の講師をできるということ自体、そのとき初めて知ったのだ。

 

「え!塾の先生って、大学生でもできるの!?」

 

「ふふ、たぶんこのへんの塾はほとんど大学生がやってると思うよ。」

 

「え!ええ!それって、生徒が教室に何人かいて、黒板の前に立って教えるやつ!?」

 

「あは、すごい食いつくね~。そうだよ。」

 

 

僕は予備校で授業を受けながら、予備校講師たちの圧倒的なパワーに、毎日心をふるわされていた。

それは尊敬であり、憧れであり、目標でもあった。

 

そんな予備校講師たちに自分を重ねた妄想は、みるみるうちにものすごい速度で膨張し、

まだ大学生にもなっていないクセに、僕は頭の中ですっかり自分が塾の講師として生徒たちの前に立つ姿をイメージしていた。

 

 

「すごい!僕もやれるかな!大学決まったら紹介してくれる?!」

 

「いいよ~。じゃ、まずは受験頑張ってね。」

 

彼女は笑いながら、まるで小さい子の頭をなでてヨシヨシをするようにそう言った。

 

めっちゃ自然な流れで、美人同級生のえみちゃんの連絡先までゲット。笑

 

 

その瞬間から、僕はいっそう勉強に没頭した。

そして、予備校の授業がますます楽しみで仕方がなくなった。

カリスマと呼ばれる予備校講師たちの口調、しぐさ、説明の仕方や話の内容、すべてを吸収しようと思った。

それは、決して勉強の負担ではなく、むしろそうすることによってより授業に集中することができた。

 

予備校の先生たちに心をふるわされるたび、いつも思った。

バカな僕でも頑張って大学に行けば、こんなふうに生徒たちの心を動かす教師になれるかもしれない。

たくさんのことを考えよう。そして、考えたたくさんのことをこの先生たちみたいに生徒たちに語っていこう。

 

 

2

 

 

そして、それまでの人生で最も過酷だった冬が終わり、僕は大学の合格通知を手にした。

蓄積した疲労を浄化するかのように僕はぐっすり眠りについた。

 

目覚めるといつもと変わらない景色。

でもいつもとは全然違う爽快な気分で眺めてまわった。

 

 

そして、僕はえみちゃんに電話をかけた。

 

えみちゃんは、電話口で僕にたくさんお祝いの言葉をかけてくれた。

そして、しばらくして話題は塾の話にうつった。

 

えみちゃんは、塾選びについていろいろアドバイスをしてくれた。

ある程度広域に展開している塾の方が生徒の人数も多いからやりがいがあるのではないかとか、

教場がたくさんある塾では、自宅から大学への通学途中にある教場を希望するのがベストだと思うとか、さらには時給のしくみなども教えてくれた。

 

「私がやってる塾は、授業のコマ数でお給料が決まっていて、授業以外の仕事にはまったく手当がつかないんだけど、私の彼氏がやってる別の塾では、授業以外の仕事でも出てるらしいよ」

 

(゚△゚;)ピク・・・。

 

3

 

彼氏!?

 

 

いるんか~~~い!

 

大学入試に向けて勉強をしながら、たまに自分がえみちゃんと同じ塾で講師をしている姿を妄想していた。

 

 

 

ワーワー!

・・・なにやら隣の教室で生徒たちが騒ぐ声が聞こえる。


窓から教室の中をのぞくと、やんちゃな男子生徒たちに困りはてているえみちゃんの姿が・・・。

 

ガラガラ!

 

僕は勢いよく教室に入った。

 

僕「コラ!席につけ!!静かにしろ!!」

 

生徒「ちぇっ。は~い」

 

僕「えみ先生、こいつらまた言うこと聞かなかったら僕に言ってくださいね。ガツンとかましてやりますから!」

 

えみ「ありがとうございます。本当にたすかりました。
…先生? 今夜、お食事でも…?」

 

生徒「ひゅーひゅー。せんせー!ほっぺがりんごだよー!」

 

僕「こら!大人をからかうんじゃない!ったく、近頃のこどもは。
…ねえ、えみ先生。」

 

えみ「はい

 

4

 

 

・・・・・(; ・`д・´)ハイッ!

見事に砕け散りました。

 

 

 

とまあ、それが理由ではないが、僕は、その名前も知らないえみちゃんの彼氏がいる小中学生対象の塾に決めた。

そして、えみちゃんとの電話を切った直後、まだ入学式も行われていないのに、すぐにその塾に講師申し込みの電話をかけた。

 

「採用試験があるので履歴書を持って〇日に来てください」と言われ、まず履歴書を買いに行った。

学歴の欄に「〇年4月 入学見込み」と書く。

「卒業見込み」って書いたことはあるけど、「入学見込み」って大丈夫なんだろうか、と一抹の不安がよぎったがそう書くしかない。

 

採用試験の問題は高校入試レベルと言われたが、慎重派の僕は、本屋さんに行って1冊、中学1~3年生のまとめになっている高校入試問題集を買ってきた。

 

(おぉ~カラフル!文字でかっ)

 

これまで自分が解いていた、白い紙に黒い小さな文字が羅列されているばかりの問題集とのちがいに感動しながら、もくもくと解いた。

3時間くらいで1冊解き終わり、あまり大学受験では勉強しなかった口語文法(現代語の文法)などを

しっかり勉強しなおして採用試験に臨んだ。

 

そして、採用決定。

 

今思えば、よっぽど落ちる人などいない採用試験だったのだが、どきどきしながら合否連絡の電話を待ち、「合格です。いっしょに頑張りましょう」と言われたときの歓喜は、今でもよく覚えている。

 

苦しい受験勉強の中で、心の支えとなった「大学生になったら塾講になる」という小さいながらも確かな夢が、はじめの一歩を踏み出した瞬間だった。

 

 

きっかけはささやかな「立ち話」。

人生、何がどうつながるかわからないものだ。

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