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2026.07
【退塾勧告】「みんな辞めるけど、君はどうする?」退塾道連れ事件―同調圧力に抗うには。
「退塾道連れ事件」とでも呼ぶべきでしょうか。実に情けない、そして憤りと悲しさの混在する出来事がありました。
まずは、昨夜僕が中1の保護者全員に一斉配信したLINEの全文をお読みください。
中1の保護者の皆様〈一斉送信〉
いつもありがとうございます。塾長の西川です。 本日は、中1の生徒たちの学習環境に関わる大切なお願いがあり、ご連絡いたしました。
先ほど、ある保護者の方から「退塾を検討している生徒から、『みんな辞めるけど、(お子さまの名前)はどうするの?』といった声掛けを受けており、子どもが困惑している」とのご相談を受けました。なお、ご相談いただいた保護者の方は、対象となる生徒の個人名は伏せてくださっています。
また「通塾は本人と家庭で考えて決めることであり、周囲を巻き込むような声掛けが起きていることは、とても残念に感じております」とも仰っており、私としても全く同感です。
塾と生徒には相性があり、退塾という選択も含め、その子にとってベストな道を模索することは当然のこととして受け止めております。
しかしながら、前向きに学習に取り組もうとしている生徒たちを、ネガティブな形で巻き込むような言動については、塾として看過することはできません。
子どもたちの個人的なSNSやグループLINEなどを当塾で確認することはできません。そのため、保護者の皆様におかれましても、ご家庭でお子さまの様子や友達間の言動にご留意いただき、必要に応じてご指導をお願いできればと存じます。
なお、当塾では塾則におきまして「周囲への迷惑行為など、他の塾生の学習環境にきわめて悪影響がある場合」は退塾処分の対象となる旨を定めております。本件につきましても、これに該当する重大な事案であると認識しております。今後も状況が改善されない場合は、事実確認を行った上で、対象者が複数名であっても厳正に対応させていただく所存です。
すべての生徒が安心して学習に集中できる環境を守るため、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
この一斉配信の直後、別の保護者から電話がありました。「実は、うちの子もLINEでそういう話が出て困惑していまして…」というお話でした。
上記の配信にも書いたとおり、塾にはそれぞれに合う合わないがあります。一斉や個別など授業形式、対面授業とオンライン授業などの形態、レベル、進め方。そして、先生との相性など。 誰かが「いい」と感じたものが、必ずしも誰にでも「いい」わけではなく、「いい」には個人差があるものです。
だからこそ、カレッジが「合わない」と感じたのであれば、その子にとってよりベストを引き出せる別の環境に変更することには理解を持っています。その証拠に、まだ本科コース(一斉授業)しかなかったころには、僕から個別指導塾への転塾を提案したケースもあるくらいです。
みんな辞めるけど君はどうする?
僕が今回の件で強い憤りを感じたのは、誰かが退塾を口にしたからではありません。
「みんな辞めるけど君はどうする?」
その一言です。
この言葉は誘いではありません。圧力です。
「お前もこっちへ来いよ。」
「一人だけ残るの?」
「一緒に沈もう。」
そういう言葉です。
この発言をしたのが誰か分からない状態なので、あえて言いますが、後ろ向きな思考に陥った人間というのは、いつの時代も決まってこういう行動をとります。自分一人だけ環境から離脱する勇気すらない。自分の足で立つこともできず、誰かを道連れにしないと不安で仕方がないのでしょう。自分が抱いているネガティブな思いを、他人も当然持っているはずだと信じたいのです。
これは、クラスの中で自分の気に入らないヤツを見つけると、「あいつウザいよな、お前もそう思うだろ?」と同意を強要し、周囲を不快な空気に巻き込んでいく人間の思考と全く同じ構図です。
指導者から叱責されても、自らの言動ではなく、「なんでオレだけ」という思考に向かう人間も同じで、自分自身に目を向けようとせず「あいつもやってるのに」というアタマの回路から抜け出せないうちは、いつまでも幼いまま成長することはないでしょう。
辞めるなら、各自が考えて、周りを巻き込まずに辞めろ。
守るべき優先順位
「うちの子も困惑していました。」
本当に申し訳ありません。前向きに頑張ろうとしている子からすれば、突然そんな空気を作られたら迷惑以外の何物でもありません。
「自習室で数名の子たちが目配せをしてニヤニヤしていて集中できない。」
これまでになかった事態も生じています。本当に、本当に申し訳ありません。良質な学習環境を守ると約束しておきながら、真面目に、前向きに頑張ろうとしている生徒たちにそのようなストレスを感じさせてしまっていたことを心からお詫びします。
学習環境の維持は当塾が最も力を入れていることの1つです。にもかかわらず、友達との悪ノリでその環境を破壊する生徒に十分な対応ができていなかったこと、本当に申し訳ありません。今後はそのような生徒には退塾してもらいます。たとえ10人でも20人でも。
僕はどんな子でもいいから生徒人数を集めて金もうけしようと塾をやっているのではありません。教育の可能性を信じ、勉強を通じて一身独立に向かう礎を築き、やがて社会に貢献してくれる人材を育みたいと心から思っています。
なお、僕は次回の授業時間をつかって延々と犯人さがしのようなことをするつもりはありません。
もちろん、叱責し、追及し、説教をすることもできます。しかし、悲しいことに今回の件で誰だか分からない一部の生徒を信用できなくなっているのは事実です。僕はもう30年この仕事をしているプロですから、そんなことはおくびにも出さず授業しますが、心の隅ではこの中の誰かは、反省している表情をしていても心の中では舌を出し、授業後のLINEグループで「ウザかったwww」と盛り上がるのかもしれないと思ってしまいます。
くだらない。それこそ不毛な時間です。
問題を起こした生徒を教育したくないわけではありません。でも、その教育のために、ほかの真面目な生徒の時間を奪うつもりもありません。僕が守るべき優先順位は決まっています。
かつては、問題行動があった生徒には全力で叱責し、指導し、改善が見られない場合は強制退塾にしていました。今も授業中、叱責に時間を割くことはありますが、個人というより全体にも分かってほしい事象のときに、授業中の時間を使います。
粛々と
信念を貫くと同時に時代の空気も読まなければいけません。叱りすぎだとか子どもへの虐待だとか言って警察に被害届を出す親もいる時代です。今年度、入塾要項(塾則)を顧問弁護士のチェックを受けて見直したのは、当塾に相応しくない生徒やご家庭には、粛々と、規定通りに辞めていただくためでもあります。
時代がそうさせたと言ったら他責のようですが、真剣に叱り、いつか必ずこの子に変わるきっかけをつかんでほしいと声を荒らげていた時代は、事実もう過去のものとなってしまったようです。(なかなか抑えきれていないかもしれませんが苦笑)
規定は、有名無実な紙切れではありません。今回の件は、明確な退塾処分事由です。
ですから、対象者には退塾していただきます。
仮に名乗り出なくても、そのグループ内にいる生徒たちは皆、誰がどう発言したかなど画面上で見て、分かりきっています。そして、昨日の一斉配信を受けて、その内容を現認された保護者の方もいらっしゃるかもしれません。つまり、遅かれ早かれ、その内容は伝わってくるものだと思います。
ヤバイ!とスクショを撮られる前に発言を削除しようと焦っているかもしれませんね。でも、スマホを持って間もないあなたたちには「一度ネットに出回ったもの」は消えないという事実を学ぶ機会になると思います。少なくとも、多くの生徒、保護者の目に映った記憶は消すことができません。
「皆に口止めをお願いして、バレるまではしらを切ろう。」
また巻き込む気でしょうか?退塾処分に該当する行為を行っているにもかかわらず、「いい子」の顔をして通うことができるというのは、何か将来に心配を感じてしまいます。
そもそも辞めるつもりでいたのだから、自分からすみやかに退塾してください。 何人であってもかまいません。特に理由を書いていただく必要はありませんのでご連絡をお願いします。
誤解しないでいただきたいのですが、「粛々と、規定通りに」と言いましたが、怒っていないわけではありません。むしろ、煮えくり返るような憤りを感じています。僕が生徒を本気で叱っているところを見たことがある生徒にとっては、逆に恐ろしいかもしれませんね。許してください。
子どもの悪ノリには目をつぶれ?
「まだ子どもだし、悪意を持って言ったわけじゃないだろうから大目に見てやっては?」
いいえ。13歳にもなってこんな道理が分からないからこそ、最後の指導として「退塾」という処分を与えるのです。法律に触れるような犯罪じゃなくてよかったです。そして、義務教育機関でもなく、「塾を辞める」という程度で、軽はずみな言動で周りに迷惑をかけることが社会では居場所を失うということにつながるということに直結すると学びを得られるなら、むしろそれくらいの処分を受けたほうが本人のためにもなると思います。
「ブログで公開したら、誰だ誰だになるだろう」
先ほど「今も授業中、叱責に時間を割くことはありますが、個人というより全体にも分かってほしい事象のときに、授業中の時間を使います」と書きましたが、同じ理由です。当事者たちだけでなく、現在通塾中、およびこれから入塾するかもしれない方も含め、全塾生と保護者に知ってほしい当塾の方針だからこのようにお伝えしています。このブログの本来の目的は、退塾勧告である以上に「真剣に頑張ろうとしている子を守る」ことです。
「とはいえ子どもにも人権があるだろう」
『子どもの人権』についての考え方が世界に広がる発端となった思想家エレン・ケイは、たしかに、子どもの過ちについて「十のうち九には目をつぶること、その代り子どもが育ちかつ教育される環境づくりに十分気を使うこと」と述べています。自然のあるがままに任せることが子どもの教育だという思想です。
しかし、そのケイですら「子どもが他人の権利の境界を越えない限り」という条件を付しています。他人の権利の境界を超えている場合は、事案ごとの処分を受けなければ社会的な人間になるための未成年(まもなく成人)としては、何もその子の成長のきっかけにはならないと考えています。
「客に向かってそんな態度はよくないのでは?」
生徒はお客様ではありません。
「客(保護者)の子どもに対して?」
そうです。真剣にお子さんの成長と学力向上を期待して、託して通わせてくださっているご家庭の、他の真剣な子どもたちの迷惑になるから、辞めていただくのです。くどいようですが、僕は、成績の良し悪しではなく一生懸命頑張ろうとしている子を守ります。そのために今回露呈した、守れていなかった環境を心から反省し、あらためて環境を守ると決意しているのです。
以前のブログでも書きましたが、皆さんに塾を選ぶ権利があるように、我々も生徒を選びます。それは勉強の出来不出来ではありません。真剣に頑張る子の環境を乱す生徒は、当塾には相応しくありません。
最後に、生徒たちへ。
塾が生徒同士のグループLINEの作成を物理的に禁じることはできません。(禁止しても確認することができません。)しかし、LINE上であっても直接の会話と同じです。そうした問題発言で、前向きに頑張ろうとしている子を困惑させ、道連れにしようという言動や迷惑行為が確認されたら、退塾してもらいます。
そもそも、塾内のグループLINEなど、全く必要性を感じません。少人数制であるカレッジでは、たかが10名程度のやりとりです。それであれば、1:1で行えばいいのではないですか?
学校行事の写真を共有するとか、部活動で団結して何かの目標に向かう何かで結束と士気を高めるとかのポジティブな声掛けが行われるような用途があれば、まだ分かる気もしますが、塾の生徒のLINEグループなどそこにどんな必要性があるのでしょうか。
宿題の確認ですか?それはホームページでできるようになっています。
質問ですか?先輩たちは塾に直接質問のLINEをしてきています。
このブログを読んでいない奴がいる?それはぜひグループLINEで教えてあげてください🤭
ただ、結局多くは愚痴やくだらない発言で一部のそういうことを言いたいタイプの人ばかりがトークを送信し合って盛り上がっているというのがオチではないですか?
塾に関して言えば、辞めていく人の多くはその塾のことを悪く言うでしょう。自分は悪くないと誇張して大げさに先生がひどいことをしたなどと言うこともあるでしょう。
自分の通っている塾を信じられなくなったら成績は伸びません。自分の通う塾にネガティブな発言をくり返す人の言葉に耳を傾けるのはまったくメリットがないことです。辞めた人は自分でグループを抜けるか、管理者が削除すればいいのですが、おそらく友達関係という鎖によってそれもむずかしいのでしょう。
だとするならば、僕の意見としては、そんな「抜けられないグループ」はそもそも作るべきではないと思います。それはまるでドラッグのようなものです。
客観的に見てください。
・スマホを持った。
・LINEを始めた。
・その浮かれ気分の延長で、グループが作られた。
・誘われて断ることはできない。
・自分のいないところで悪口を言われるかもしれない。
・ノリが悪いと思われるかもしれない。
結局、そのグループに入ってしまった。
・返事をしないと既読スルーだと責められるかもしれない。
・返信が遅いと空気を悪くしたと言われるかもしれない。
・スタンプ一つ押さないだけで機嫌が悪いと思われるかもしれない。
・グループを抜けたら仲間外れになるかもしれない。
・通知を切っていたら話についていけなくなるかもしれない。
・軽はずみなことを言ったらスクショを撮られて他へ回されるかもしれない。
・誰かの悪口が始まったら同調しないと次は自分が標的になるかもしれない。
そして、
・通知が来たらすぐに確認しないと話題に乗り遅れるという焦り。
・夜遅くまで通知が鳴り止まず、勉強の集中力も、大切な睡眠時間も削られていく苛立ち。
・実は自分だけが外された裏グループがあるんじゃないかという終わりのない疑心暗鬼。
・少しでも空気を読まない発言をすれば「あいつイタい」と冷笑される息苦しさ。
・面白くもないのに、愛想笑いのようにスタンプを連打しなければならない同調圧力。
そんなことを気にしながら毎日スマホを握っている。
心も体も壊れていくようです。 まるでドラッグのようだと言った理由が分かりましたか?
でも、ドラッグと大きく違う点があります。
抜ければいいんです。
「抜けたら悪口を言われる。」
では聞きます。
抜けたら何を言われるかわからないとおびえなければならないような人たちというのは、本当に友達ですか?
僕には「友達」というより、「監視員」のように見えます。
大人に見せなさいと言われて、拒絶したり抵抗しなければならないようなやり取りが行われているグループなら抜けたほうがいいと思います。困ったことがあるなら、まずはお父さんやお母さんに相談してください。「親に抜けるように言われた」という理由でも、お父さんお母さんは喜んで矛先を引き受けることでしょう。
現時点では今回の発信をしていた生徒を含め、1人も退塾の連絡はきていませんが、これから何人か辞める生徒がいるかと思います。ですが、僕が真剣に、一緒に頑張りたいと思っているのは「みんな辞めるから自分も辞めます」という子ではありません。
「みんな辞めても自分は頑張ります」と言える子です。
カレッジは、そういう生徒のために存在しています。
そして、本科コースの開講は4名以上ではありますが、今回は特殊な事情での退塾による人数減少ですので、仮に4名を下回っても本科コースは存続させることを約束します。









































