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エッセイ「教科書が教えないリアル」

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高校入試説明会、命の選択。 | 学習塾カレッジ塾長 エッセイブログ

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2017.07

高校入試説明会、命の選択。

その日の夜に高校入試説明会を控え、僕は午前中から資料や説明で使うパワーポイントの最終チェックに追われていた。

 

一週間前の土曜日の出来事である。

 

 

追い込まれた高校入試説明会の資料作り

 

学習塾カレッジ小学部に通う塾生の8割は愛教大附属岡崎小に通う子たちだ。

 

附属小学校は、他の公立小学校よりも夏休みに入る時期が一週間ほど早い。そのため、カレッジも一週間早く夏期講習期間に突入する。

 

午前9時の開校と同時に塾生が自習にやってきて、それぞれ夏休みの宿題やカレッジテストの勉強に取り組んでいた。午後になると全員が附属小の子である小5の夏期講習が始まり、夕方から夜にかけては通常授業を行った。

 

 

中学部の生徒が全員帰宅した後、高校入試説明会の資料作りが始まる。

 

作業は連日深夜2時に及んだ。翌日の授業に悪い影響が出ては絶対にいけないのでどんなに中途半端でも午前2時には必ず終えるように決めていた。

 

しかし、さすがに高校入試説明会当日が、あと2日、1日…と近づいてくるとそうもいかない。

 

週明けにある小学部カレッジテストの作成も控え、僕は究極に追い込まれていた。

 

午前2時だった終了時刻は、3時、4時へと変わり、しまいには「終わるまで時」へと変化していた。

 

 

僕は、自分がよく子どもたちに話していることを思い出し、少し情けない気持ちになっていた。

 

 

宿題の提出期限を守る意味

 

どんな仕事にもたいていのものには期限がある。

その期限は、相手がある以上、自分の都合で「まだ終わっていないから」と延ばしてもらえるものではない。

仮に延期してもらえたとしても、そんな仕事をする人には「次」がなくなっていく。

約束を守らない人だと思われるからだ。

信用を失ってしまうということは生きていくことができなくなることでもある。

 

別の予定があってどうしても取り組む時間が少なくなると分かっていながら、なぜそれを見越して早くから動き始めたりわずかな隙を有効に使ったりして計画的に取り組まないのか。

 

あれがあってできませんでした、これがあってやれていません。

 

そんな言い訳は許されないのが社会だ。

そんな言い訳をしている人間に「信用」はついてこない。

 

でもみんなにはそうなってほしくない。

ちゃんと社会で信用されて、ちゃんと必要とされる人間になってほしい。

 

たかだか宿題かもしれないが、君らが期限を守り信用される人間になるための訓練も兼ねていると思ってほしい。

 

だから僕は宿題の期限にうるさく言う。

ちゃんと先のことを考えられる人間になっていきなさい。

 

 

えらそうに。

 

高校入試説明会があることはもちろん分かっていた。

 

その直前に夏期講習が始まることも分かっていた。

 

その直後には小学部カレッジテストがあることも分かっていた。

 

 

なのに動き出したのが二週間前。

昨年度の冬から中学部を開講したカレッジは、当時の中3の受付をしなかった。

 

冬からほんの1,2か月だけお預かりしてその子の高校入試にどのような責任を果たせるのか確信が持てなかったからだ。

 

 

だから、今年度の中3がカレッジにとって初めての受験学年。

 

すべての資料をゼロから作る必要があった。そうとうな時間を要することは容易に想像できた。

 

 

こだわり力

 

・・・僕はあまく見ていた。

 

自分の仕事のスピードに対してではない。

 

手前味噌になってしまうが、僕はこう見えて仕事が速い。(笑)

 

 

あまく見ていたのは、僕の「こだわり力」に対してだ。

 

 

久しぶりのパワーポイント。

 

こまかい演出や効果音、BGM。

 

たとえ「自称」であったとしても、どこの塾の入試説明資料よりも内容の濃いものを作りたかった。

 

 

今年の中3の塾生は長男長女が多い。

 

初めて迎えるご子息ご令嬢の高校入試に、その仕組みを一から説明し、理解してもらった上できちんと納得のいく受験をしてもらいたい。

 

 

僕のイメージはすっかり池上彰。

 

akira

 

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他県に類を見ない複雑な愛知県の入試制度を分かりやすく解説したい。

 

 

公立志向の強い岡崎市では簡素化されがちな私立高校についての説明もきちんとしたい。

 

 

僕の願望は持ち前のこだわり力とコラボして、膨大な時間と技術を必要とした。

 

 

僕は黙々と作業を続けた。

 

ここ一週間の睡眠時間は、おそらく合計でも二桁に乗らない時間かもしれない。

 

 

image1 (2)

 

 

 

背中に広がる異変

 

 

資料が完成し、最終チェックを残すのみとなったのは7月22日(土)入試説明会当日の午前のことだった。

 

 

途中、情けないとすら感じた「期限を守る」仕事を、まったくの妥協をすることもなく、あと少しで完結することができる。

 

 

 

・・・いて。

 

 

33

 

 

僕はこのあと起こるとんでもない出来事に、その時はまだ気づいていなかった。

 

 

 

 

長時間座り続けたせいなのか、急に背中をつったような感覚を覚えた。

 

 

資料をチェックしながら、背中をグネグネして回復を試みる。

 

 

しかし、痛みはどんどんエスカレートしていく。

 

 

 

いててててててててて…

 

 

僕は座っていられなくなり、床に寝そべってストレッチを始めた。

 

 

あ…ああ いてえ…

 

おいおいなんだこれ。

 

 

 

ありえないほどの急加速で痛みが増殖してくる。

 

 

 

ちょ… ちょっと…、はあ、はあ。

 

・・・待って。

 

 

あまりの痛さに、僕は呼吸すらまともにできなくなってきた。

 

 

正直、自分でもここ一週間はかなり無理をしてきていることを感じていた。

 

 

でも、今日はだめ。今日だけは絶対にくたばるわけにはいかない。

 

 

 

だれかたすけて

 

 

高校入試説明会まで、もう5時間くらいにせまっていた。

 

なんで今日なんだ。

なんで。

 

 

っ… いっ…   は… うあぁ!!

 

いてえ!!!

 

 

 

誰もいない教室で、僕はのたうち回りながら叫んでいた。

 

もう立ち上がることもできない。同じ体勢を取り続けることも苦痛で、「七転八倒」の文字通り床に倒れこみ転げまわった。

 

どんどん激しく強くなる腰から背中にかけての痛みの正体が分からぬまま、僕は必死にその痛みに耐え回復してくれと痛みの発信源を押さえ続けた。

 

 

くっ

 

くはっ

 

 

(息ができない!)

 

 

あまりの痛苦に、僕は呼吸がまともにできなくなっていた。

 

 

おかしい。

 

ただ背中がつったくらいで、こんなに痛いはずがない。

 

 

だれか、

 

だれかたすけて、、

 

 

絶え絶えに息を吸い、吐くときには絶叫の声があふれ出した。

 

うあぁああぁあ!!!!!

 

いてえええ!!

 

 

 

だれか…

 

 

 

絶望

 

 

カレッジがある建物は、エステさんとの共同ビルである。

 

まれに2階のエステのお客さんが入口を間違えて1階のカレッジのドアを開けることがある。

 

数か月に1回しか起こらないそんな出来事が、今このタイミングで起きる。

 

僕はそんな奇跡にさえすがる思いで、力強く塞いでしまった瞼をわずかにこじ開けてドアを見た。

 

 

そして直後、僕は絶望という黒い光に再び目を閉じることになる。

 

 

夜に説明会はあるのだが、土曜日はカレッジの定休日。

 

僕は自分が出勤して中に入った直後、ドアに鍵をかけたことを思い出したのだ。

 

 

もはや「エステのお客さんが間違えてドアを開ける」という奇跡という名の「藁」さえつかめないことに気づいてしまった。

 

 

救世主

 

 

電話・・・

 

痛みに悶えながら、僕は机の上の電話機に手を伸ばした。

 

 

しかし、この得体のしれない痛みは、僕からその行為さえ不可能にさせる。

 

距離にして2m、起き上がれば3歩で届く電話機までたどり着くことができない。

 

 

その時、悶絶し、意識さえ失いかけた僕の耳に「神の物音」が飛び込んできた。

 

 

カチャカチャ

 

 

 

入口のドアが開く音だった。

 

 

(ちひろせんせい…)

 

 

今夜の説明会のお手伝いに、開塾当初からスタッフとしてカレッジに協力してくれているちひろ先生が出勤して来てくれたのだ。

 

土曜日でもあったし、いろんな買い物も頼んであったので何時くらいに出勤できるか分からないと聞いていたちひろ先生が、まさかのこのタイミングで出勤して来てくれた。

 

 

救世主だ・・・

 

本心でそう思った。

 

 

 

説明会、、、説明会しなきゃ、、、

 

 

「おつか・・・ えっ!えっっ!?」

 

 

苦悶の表情で床に突っ伏し、異常な呼吸音と叫び声をあげる僕を見て、ちひろ先生の方が心臓が止まりかけたことだろう。

 

 

「どうしたんですか!!」

 

 

状況が分からないまま、焦燥した表情で僕に駆け寄るちひろ先生。

 

 

 

説明したいのだが、息をするのがやっとで言葉がうまく出てこない。

 

 

 

ちひろ先生が来たのを見て、今夜の説明会のことが僕の頭を一気に占領した。

 

 

そうだ。

 

説明会、、、説明会しなきゃ、、、

 

 

途切れ途切れに言葉を振り絞る僕に、ちひろ先生は「無理です!こんな状態で!!」と、怒鳴るように言った。

 

 

今日は無理だから延期、病院に行かなきゃ死んでしまうと本気で訴えるちひろ先生に、僕は「だめ。今日でなきゃだめなんだ」と大きく息を吸い込みながら伝える。

 

そんなやりとりを何度か繰り返しているうちに、見かねたちひろ先生が僕に言った。

 

 

「救急車呼びますよ!!奥さんにも連絡します!」

 

 

入試説明会は、ただの入試制度の説明会ではない。

 

 

救急車は待って。

 

僕は、救急車で搬送されることが、今日の説明会の延期を意味することくらいは理解できた。

 

 

生徒も保護者も一緒に参加して、共通の認識をもってこの受験に挑んでもらうための会。

 

 

入試制度の説明だけじゃない。

 

 

残された時間の少なさを知り、それを緊張感に変えてこの重要な「夏」をどう過ごすべきか考え、覚悟を持って行動に移してもらうための会。

 

 

全中学校が夏休みに入った今しかないんだ。

 

限られた時間を僕のせいでこれ以上先延ばしになんてしていいはずがない。

 

 

僕は学習塾カレッジの塾長。

 

僕が倒れたなんてことになったら、受験生たちにどんな不安を抱かせてしまうか分からない。

 

 

どんな事情があっても、やらなければならない仕事がある。

 

「自分の都合」で延期なんかしてたら「信用」がなくなる。

 

必死の思いで働いて、1年で80人を超えるお子さんを任せていただける塾になった。

 

 

人数と同じ数だけの期待と信頼を背負っているつもりだ。

 

信用は、築くのは大変だが、失うのは一瞬。

 

僕の頭の中の選択肢に、「延期」の文字はその一画目すら刻まれていなかった。

 

 

 

たとえば僕が死んだら、、、

 

しかし、その後もますます激しさを増す痛みに、僕は生まれて初めて、比喩ではない「死」を意識した。

 

頭の中をかけめぐるさまざまな思いが、痛みによってどんどんかき消されていく。

 

 

たとえば僕が死んだら、、、

 

 

「信用」を失っても、時間はかかるだろうが、生きていればまた取り戻せる日が来るかもしれない。

 

 

でも死んだら終わり。もう取り戻すこともその努力をすることもできない。

 

 

 

僕は、息も絶え絶えに、ちひろ先生に伝えた。

 

 

きゅ…きゅう…しゃ、

 

よんで、

 

ください…

 

 

その先は、実はあまりよく覚えていない。

 

 

ただ、今回の高校入試説明会は、内容的に一週間も延期することはできない。

 

「翌日に延期させてください」と連絡してほしいと頼んだことは覚えている。

 

どんな方法を使っても、明日には絶対戻ってくると、強く決意していた。

 

 

 

激痛の正体

 

 

僕の体に起きた異変の正体は、「尿管結石」だった。

 

 

三大激痛の一つに君臨し、出産を経験した女性の中には「出産より痛い」と言葉を残す人もいる。

 

痛みを緩和する処置をしてもらって、僕は次第に落ち着きを取り戻した。

 

 

土曜日だったため専門医が不在で、月曜日に改めて診察を受けることになったが、とりあえず入院はしないですんだ。

 

 

 

人は人に支えられて生きている

 

 

僕が病院で処置をしてもらっている間に、ちひろ先生がすべての中3保護者に延期の連絡をしてくれた。

 

 

とてもではないが、一人だったらあの状況で電話をかけることはできなかった。

 

 

 

起業前、一人でなんでもやる、できると意気込んでいた自分が少し恥ずかしい。

 

思い上がりもはなはだしい。

 

 

人は人に支えられて生きていることをあらためて深く感じた。

 

ちひろ先生をはじめ、個別部門ではたくさんの先生たちに協力してもらっている。

 

 

みなさんに支えられて、僕が、学習塾カレッジが存在していることを強く再認識した。

 

 

その日の夜に痛みが再発したが、処方された薬によって痛みは緩和できることを知ったので、もし説明会の時間帯に痛みの予兆を感じたらすぐに薬を服用することにして、やはり翌日に実施することにした。

 

 

翌日、幸いにも体にはもう痛みは残っていなかった。油断はできないが、これなら大丈夫だと思えた。

 

 

初めての高校入試説明会

 

 

午後7時過ぎ。

 

 

来場する一人ひとりに頭を下げ、ご迷惑とご心配をかけたことをお詫びした。

 

 

皆さん異口同音に「大丈夫ですか?」と言葉をかけてくださり、その温かさに僕は少し目頭が熱くなった。

 

 

生徒の中には、先生に迷惑かけすぎちゃって…と自分を責める子もいたそうだ。

 

 

そんな思いをさせてしまって本当にすまない。

 

 

僕が倒れたのは、心労や過労のせいではない。だから君たちはまったく関係がない。ほんとうにごめんね。

 

 

水分とろう

 

 

僕はお医者さんから「水分摂取不足」を指摘された。

 

 

振り返ってみれば、僕は家でこそせっせと運ばれてくる水分をとるものの、カレッジにいるときはほとんど水分をとっていなかった。

 

 

トイレに行きたくなってしまうし、生徒たちに「休憩時間に1杯」と定めているドリンクバーのルールに反して僕だけ自由に飲むのも申し訳ない気がしていた。

 

 

夏期講習期間に入り、朝の8時半過ぎから深夜までずっと冷房のきいた室内にいると、授業のとき以外はほとんど汗をかくこともない。だから、水分をとらなくても普通に過ごすことができていた。

 

 

でも、お医者さんは再発を防止するために、1日1.5Lから2Lは水分をとるように僕に言った。

 

 

今回は、最悪のタイミングのようで、実は最悪ではなかったのかもしれない。

 

一斉授業をする人間はカレッジには僕しかいないので、その授業中にあんなことが起きたらと思うと慄然とする。

 

 

絶対に再発は阻止したい。

 

僕はさっそくコンビニで2Lの水を買ってきて、1日1ボトル空っぽにすればいいんだと分かりやすい仕組みをつくった。

 

 

その後、3日経っても、まだ初日に買った水が残っている… (-_-;)2Lテ,ナカナカダヨ…

 

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最後になりますが、近隣の皆様にもご迷惑とご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます。おかげさまで元気に復帰しております。今後ともよろしくお願いいたします。

プロフィール

執筆者の紹介

西川 賢(Ken Nishikawa)

愛知県岡崎市の学習塾カレッジ塾長。
真面目なのかふざけているのか分からない "ちょっとくせになる"エッセイブログ 「教科書が教えないリアル」を不定期更新。
生徒に言われた「元イケメン先生」の「元」を取り払うべく絶賛減量中?
趣味:海釣り
行きつけの店:横綱ラーメン安城店
好きな女子アナ:田中みな実
いつの日か、本を出版したい。

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