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エッセイ「教科書が教えないリアル」

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令和5年度からの愛知県公立高校入試改革の「学力検査得点2倍」は、本当に内申低くても大丈夫? | 学習塾カレッジ塾長 エッセイブログ

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17

2021.09

令和5年度からの愛知県公立高校入試改革の「学力検査得点2倍」は、本当に内申低くても大丈夫?

令和5年度からの愛知県公立高校入試改革の全貌が続々と明らかになりつつあります。

(※令和5年度入試=2021年現在中2生が受ける入試)

 

すでに発表されていたものとしては

 

学力検査:一般選抜の学力検査が2回から1回に。

 

推薦選抜:一般選抜と同日実施だったのを早い時期に。

 

面接:一般選抜で面接を実施するかどうかは学校ごとに決定する。

 

ほかにも、学校長の推薦を必要としない「特色選抜」(一部の高校で実施)などいくつかありましたが、大きいところでは上記の3点が目玉改革と言えるものでした。

 

 

試験が2回から1回になることは、現役の生徒たちからするとズバリ不評です。(苦笑)

 

 

失敗が許されませんからね。(^-^;

 

 

 

 

 

令和5年度 愛知県公立高校入試制度改革続報

 

 

それはさておき、令和5年度入試からの入試改革の続報が発表になりました。

 

 

その中でも、多くの受検生に関係するであろう内容が、一般選抜における校内順位の決定方法について。つまり合否決定方法の改革です。

 

 

 

こちらで説明している従来の「調査書の得点と学力検査合計得点での『A』『B』の区分」は行わないことになるそうです。

 

 

この記事は、3か月ブログを停止していても月間PV数10万以上を保つことに貢献してくれた人気記事の一つですが、今年度いっぱいで削除か編集しなくてはですね。(;O;)生まれ変わってまた会おう

 

 

現行の「学校裁量」は、

 

Ⅰ 均等型(「内申点+当日点」)

Ⅱ 内申重視型(「内申点×1.5+当日点」)

Ⅲ 実力重視型(「内申点+当日点×1.5」)

 

の3通りの方式から、各高校があらかじめ選択することになっています。

 

 

令和5年度からは、これに

 

Ⅳ 内申とことん重視型(「内申点×2倍+当日点」)

Ⅴ 実力とことん重視型(「内申点+当日点×2倍」)

 

が加わることになりました。

 

※「内申点」については、45点満点の評定を2倍して90点満点とし、学力検査の得点(当日点)110点満点と大きく比重が偏らないようにされています。

 

 

 

従来の合否決定方法「A・B」の区分がなくなる理由

 

 

校内順位決定方法で用いられてきた「A・B」の区分は、

 

A:内申だけで受検者順位をつける。当日点だけで受検者順位をつける。この両方の順位とも入学定員内(合格人数内)に入っている者。

 

B:「A」に入らなかった者。

 

となっています。

 

 

この「B」を「学校裁量(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)」による方式を用いて順位をつけ、残りの合格者を決めるというのがいままでの合否決定方法でした。

 

 

なぜ、この「A・B」の区分をなくすことにしたのでしょうか。

 

 

これについては、ズバリ教育委員会の発表に明記されています。

 

 

 

あんまり対象者いなかったし、分かりにくかったから。

 

 

とのことです。(; ・`д・´)

 

 

 

新制度で「学校裁量」の対象となるのはだれ?

 

 

現行の制度では、「学校裁量」でジャッジを受けるのは全受検生ではなく、「B」に属する受検生だけでした。

 

 

「A・B」の区別がなくなり、令和5年度からの新制度では「学校裁量」が「Ⅳ・Ⅴ」を加えた5種類となるわけですが、いったいどのようなケースで適用されるのでしょうか。

 

 

発表の文章をよく読むと、気になる一文がありました。

 

 

 

これは・・・?

 

 

今まで「B」のみが対象だったけれども、合否すれすれラインにいる同点の子たちのみに適用するという意味でしょうか??

 

 

いや、新制度として5通りの得点のつけ方をするけれど、結局ほとんどの子はほぼ得点通りに決まっていくからあまり逆転現象は起こりませんよ、ということなのでしょうか。

 

 

ちょっとモヤモヤしてきましたので、「正解」を知っている方々に聞いてみることにしました。(*^^)v

 

 

 

教育委員会に電話してズバリ聞いてみました。

 

 

学習塾とはいえ進路指導に携わる者として、入試制度について誤った解釈をしたり、憶測で生徒や保護者に説明をしないように努めるのは僕の「責任」だと思っています。

 

 

たとえ「読解力ないなあ」と思われたとしても、無責任な説明をするよりは、恥をかくほうが何倍もマシです。

 

 

僕は、「正解」を知っている人、教育委員会に電話をして聞いてみることにしました。

 

 

夜の9時を回っていましたが、教育委員会の先生は電話に出てくださいました。

 

 

 

僕はまずこう質問をしました。

 

 

令和5年度からは「A・B」の区分を行わないとありますが、新制度では「学校裁量」はどんな子に適用されるのでしょうか。

 

 

そして、教育委員会の先生はずばりこうおっしゃいました。

 

 

「新しい学校裁量」は、すべての受検生に適用となります。

 

 

(; ・`д・´)オオォォオオォ…全員!!

 

 

ただ、僕はあの気になる一文について質問を重ねました。

 

 

資料には「これらの方式を適用することによって、合否に関わる影響を受ける可能性があるのは、合否ライン付近に位置する受検生のみである。」と書かれていたのですが、どういう意味でしょうか?

 

 

先生は、ていねいに教えてくださいました。

 

 

こちらでも多くのシミュレーションを行っているのですが、学校裁量があっても、全体の9割以上の子たちは順当に成績上位の生徒から合格が決まるという結果が出ています。

 

ですから、実質ほとんどの子たちは影響を受けないと考えられます。あくまでシミュレーション上ではあるのですが。

 

 

僕は確認のつもりで聞きました。

 

 

つまり、「順当に決まった9割」に入らなかった1割の子たちが、新しい学校裁量で合否が決まる層になるということですか?

 

 

すると、思いがけない言葉が返ってきました。

 

 

実際には1割もいないと思います。ごく一部の生徒になるのではないかと。

 

 

とりあえず、どんなシミュレーションなのかはお聞きしていないのですが、想像するにあらゆる可能性を試したのではないかと思わされる自信ありげな口調でした。

 

 

 

内申低いけど実力がある子の時代?

 

 

正直言って、驚きました。

 

 

「学力検査得点を2倍」という学校裁量は、おそらく現在の傾向からして成績上位校が選択するものと思われます。

 

 

内申が入試の合否のおよそ50%のウエイトを持つ愛知県の高校入試においては、実力はあっても内申が低い子がなんとももったいない受験校選びをせざるを得ないこともありました。ずっとです。

 

 

そんな子たちにとって、今回の改革は諸手を挙げて喜べるはずのものになるかと思っていました。

 

 

が、必ずしも「内申が低くても上位校を狙えるぞ!」とは勧めにくいものなのかもしれないと知りました。

 

 

もちろん、「1割に満たない」そういう子にはチャンスが巡ってくるのかもしれませんが。。。(シミュレーション通りなら)

 

 

僕は、失敗を恐れずチャレンジすることには肯定的なほうです。でも、情報を精査せず目立つ見出しに飛びついて悲しい思いをしてほしいとは決して思いません。

 

 

だから、僕は中学生たちに声を大にして伝えておきたいと思います。

 

 

ちゃんと学校の勉強もするんだぞ。

 

 

 

それではまた。

 

 


 

 

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執筆者の紹介

西川 賢

西川 賢(Ken Nishikawa)

株式会社カレッジ代表取締役
学習塾カレッジ塾長

慶應義塾大学 通信課程 文学部 第1類在学中。
真面目なのかふざけているのか分からない、忖度ひかえめなピリ辛スパイスがちょっとくせになる「教科書が教えないリアル」は、塾長の優しさとおふざけと強い信念がつまったエッセイブログです。月に1回程度のアップでも、おかげさまで年間PV200万😊
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