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2018.04
クリアファイルを生徒と一緒に販売してみた話
「おおおおー!」
「先生これヤバイ!ちょーうれしい!!」
教室の中を歓声と笑顔が埋め尽くす。
先週末、カレッジに届いたNewアイテムを、月曜日から生徒たちに配布していた。
Newアイテムとは、「クリアファイル」のこと。
カレッジは開業当初から「信楽焼」のたぬきがデザインされたクリアファイルを使っていた。
なんでたぬきなの?という質問は、数えきれないくらい受けた。
これは僕の祖父が亡くなった時に、祖父の家にあったものを僕が形見として持ち帰ったたぬきなのだ。
僕は祖父が大好きだった。祖父も僕をとてもかわいがってくれた。
なんだか僕だけでなく、子どもたちも見守ってくれそうな気がして、カレッジのマスコットに決めた。
話が逸れたが、写真を見てもらってお分かりのように、カレッジは「小学生専用学習塾」として2016年の4月から授業をスタートした。
前職との兼ね合いもあって、広告開始をしたのは同年2月中旬から。約1か月の生徒募集期間だった。
実は2016年2月に広告を開始したときは「愛教大附属岡崎小専用学習塾」として看板もチラシもパンフレットもクリアファイルも名刺もすべて準備していた。しかし、すったもんだの末に(苦笑)学校のしばりを取っ払って「小学生専用学習塾」としてスタートすることになったのだ。
そのとき、2000部も注文したクリアファイルをはじめ、塾名の入ったすべてのものを大量に破棄することとなった。
3月に行っていた「説明会」に参加してくださったご家庭だけが持つ「愛教大附属岡崎小専用学習塾」と印字されたファイルは、もはやレア度が高くて、カレッジで持っている子を見かけたら「レジェンド」と呼び、皆にリスペクトするように指導している。( *´艸`)笑
電話番号の語呂合わせは当時は「2490(ふしょーカレッジ)」だったが、いまでは「2490(にしかわ)」と呼ばせている。笑笑
そんなこんなで「小学生専用学習塾」となったカレッジは、ロゴマークや文字の部分を変更して新たにクリアファイルを作成し、使用していた。
ところが、その年の冬。
カレッジは高学年のご家庭や子どもたちからの強い要望もあり、中学部を開講することとなった。
小学生専用学習塾と印字されたクリアファイルは、大量に・・・。
いや、もはや前回のような怒りまじりの廃棄とは異なり、さなぎが蝶に羽化するかのような喜びもあった中学部の開講にあたり、小学部と書かれているからといってどっさり捨てるというのはどうしてもはばかられた。
それから1年以上、事あるごとにせっせせっせと配布し続け、1年かけて残りを配布することができた。
そして、今年の3月、新年度スタートのときから生徒に配布したのがこちらのクリアファイル。
いつものカレッジのイメージ写真を上下にあつらえて、とてもいいファイルができたと思っている。
子どもたちが宿題連絡表や演習で解いたプリントなどをこのファイルに入れているようすを見ると、とてもうれしい気持ちになる。
このファイルを配った時も「おおっ新しくなった!」と素晴らしいリアクションをたくさんくれたのだが、今回の大歓声ほどではない。
今回、配ったクリアファイルはこれだ。
片面に英語の不規則動詞変化表がついていて、もう片面には僕が厳選した中学で覚えておきたい元素記号・化学式・イオン式の一覧表が印字されている。
去年、「お風呂で覚える不規則動詞」と名付けて配布した一覧表があった。
防水のため、ラミネート加工して全員に配布していたのだが、今回はさらにその進化を試みた。
一部を拡大してご覧にいれよう。
なんか、オレンジ色。
Σ(; ・`д・´) ま、まさか。
そう。そのまさか。
どどーん。
暗記シートでがっつり消えるのだ!!
英単語の読み方が日本語で振ってあると、どうしてもその文字に目が行ってしまい、なかなかつづりがちゃんと覚えられないことがある。かといって、初めて見る単語だったり、英語が苦手な子にとっては読み方なしはとてもキツイ。
そこで、肉眼でもあまり見えないくらいの殊更にうっすーい感じでフリガナをつけた。
読み方を確認したかったら目を凝らしてよーく見るのだ。笑
この消える色の調合には多くの方々にご協力をいただいた。
お世話になっている出版社の方にも連絡をして印刷屋さんに問い合わせてもらったりもした。
しかし、どうやらこの色の調合は、印刷屋さんにとっても企業秘密レベルのものらしく教えてくれないというのだ。
僕はfacebookで助けを求めた。
直接面識のないデザイン関係のお仕事をされている方や同業者の方など、みなさんいろいろ提案してくださったのだが、「うっすら見えてしまう」状況はなかなかクリアできずにいた。
そんななか、ついに仏が動いた。
ホトケの國立。
そう、僕のブログでも何度か紹介させていただいている國立拓治先生だ。
僕のFacebook連動Messengerに画像付きで消える文字の情報を送ってくださり、それを実行したところものの見事に文字は消えたのだ!!
國立先生、本当にありがとうございます!
そんなこんなで完成したクリアファイル。
中2は今「化学式」や「化学反応式」をやっているところなので理科面に大喜び。
中3は英語の「受動態(受け身)」で使う過去分詞の不規則変化に悩まされていたところなので英語面で大喜び。
「先生、これ売れるよ!!」
実は僕もこれは販売する目的で作ったのだ。(塾生は無料)
「でもカレッジって書いてあるよ?」
という想定内の質問に僕は落ち着いて答えた。
「トイザらスで売ってる知育玩具とか地図のポスターとかにも学研とか公文て書いてある。」
何となく僕の自信たっぷりな口調に納得しないわけにはいかないようなうなずきが広がった。苦笑
「これいくらなら買う?」
僕がそう尋ねると、「百均だったら即買いだけど、百均で売ってるとは思えない超役に立つグッズだからなあ」「これどこにも売ってないもんね、ちょーレアだし、めっちゃ役に立つからあ」などと、みんなすごく真剣に考えてくれている。
よくアニメのキャラクターが描かれたクリアファイルを持っている子に、「あれいくらなの?」と値段を聞くと「600円」とアンビリーバボな答えが返ってきた。
「高っ!!」
「よくそんなん買うな!」
みんなに集中砲火を浴びながら、「それだけの価値がある」と立ち向かう彼の姿は勇ましかった。笑
「メルカリで売ってみようか?!」と、とんでもないことを言い出す生徒もいたが、心の中で一度メルカリで売ってみるというのもどれくらいの値段で買い手がつくものなのかいい調査になるかなあなんて思っていたが、結論的には生徒たちは「絶対200円はダメ。そんな安くない」という。
こんな話をしながら、僕は彼らのいう値段で本当に売ろうと思い始めた。
彼らが法外に高い価格設定をするならそのままに。その逆も然り。
そして、売れ行きを月1回くらい彼らに報告する。
その売れ行きを見て、彼らが値段を上げろと言えば上げ、下げろと言えば下げることにしよう。
例えば1部1,000円なんて言い出したら、まず売れないだろう。
売れていないというその報告を包み隠さず僕は彼らに報告する。
結果、価格を下げざるを得ない。
もうお気づきかと思うが、これはまさに中3の社会の「市場経済の仕組み」の授業だ。
中学生の実生活の中で「需要曲線」「供給曲線」の交点となる「均衡価格」を探す体験なんてなかなかできない。
彼らもとても楽しそうだし、僕自身もとても興味深いと思えた。
結局、彼らが決めた価格設定はこんな感じだった。
※追記
今後価格が変動した場合に、記事によって価格表記が異なると混乱を招くため、本段に記載しておりました「試行錯誤中の価格に関する内容」は削除しました。
最新の販売価格については、こちらでご確認ください。
ワイワイやっていたが、無難に相場くらいの価格をつけたなあと、ちょっと笑えた。( *´艸`)
ご注文は、カレッジのホームページ「お問い合わせ」からお願いします。
※ご希望欄は「その他」にチェックをつけてください。
※内容欄に「〇学生向けクリアファイル〇部」とご記入ください。←必ず「小学生向け」「中学生向け」の明記をお願いします。
※お支払方法は、銀行振り込みのみとなります。クレジットカードはご利用いただけません。
※振込先はメールでご案内いたします。商品の発送は、ご入金確認後となります。
※領収書の宛名、但書にご指定がございましたらお申し付けください。
※価格は変動する可能性があります。購入後、価格の上下に対しての苦情や返品は承りかねます。
まったく売れなければ、きっと価格は下がるでしょう。
しかし、1か月でどっさり売れたら、数か月後には高くなっているかもしれません。
ちなみに、実は小学生向けのファイルも存在している。
どどーん
九九を通り越し、かける数が20まであるクリアファイルだ。
九九をこえる部分について、最初はすべて語呂合わせを考えたのだが、逆にそのゴロを覚える方がしんどいと思いなおし、×10以上のかける数の言い方はすべての段共通とした。
これについても、大々的に販売を開始しようと思っていただのだが、最終原稿のチェックに漏れがあり5の段のふりがなの一部が切れてしまっていることが発覚した。涙
こちらについては、そういったわけで表記に不備があったため、中学部のファイルと同じ値段にはできないので、今後も変動することなく百均価格にて販売しますが、上記のフリガナの不備について、許容いただける方のみご購入ください。
1部100円(5部以上からご注文いただけます。)
こちらを希望される場合は、「小学生向けクリアファイル〇部」とご記入ください。
先日の塾ブログフェスのあとの懇親会(塾長会@愛知)で、ある先生に言われたことがある。
「本とか執筆する塾の先生はけっこういらっしゃいますけど、グッズ作り始める先生は少ないのですごくいいと思います!」
「大手に企画持ち込んでも引き受けてくれるかもしれませんよ!」
「これ300円で売れる!」
「ちょうだい!ちょうだい!」←酔ってる人w
「いえーい!もらったー!!」←酔ってる人w
みなさんこのクオリティにはとても評価してくださった。
すでに「うちの塾で買う」と言ってくださっている先生もいて大変心強い。
注文はこちら「お問い合わせ」
※ちなみに、「下敷き」にする案もあったのですが、オリジナル下敷きはかなり値が張るため販売価格がとても高くなってしまうことから、見送りました。

西川 賢(Ken Nishikawa)
愛知県岡崎市の学習塾カレッジ塾長。
真面目なのかふざけているのか分からない "ちょっとくせになる"エッセイブログ 「教科書が教えないリアル」を不定期更新。
生徒に言われた「元イケメン先生」の「元」を取り払うべく絶賛減量中?
趣味:海釣り
行きつけの店:横綱ラーメン安城店
好きな女子アナ:田中みな実
いつの日か、本を出版したい。