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2020.06
東京都が「高校入試・出題範囲縮小」決定。愛知県は絶対マネしないで!!(懇願)
入試の出題内容や時期について、文部科学大臣も多くの全国の知事も「配慮すべき」と要望や要請を出しています。
中でも、出題範囲の縮小を検討すべきという要請について、当の教育委員会や私学は、これまであまり明確な対応を発表していなかったと思います。
しかし、今日の昼。
とうとう東京都が動きました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校が長期化したことを受け、東京都教育委員会は11日、来春の都立高校の入試で出題範囲から除外する内容を公表した。中学校を所管する区市町村教委に通知し、中3の生徒や保護者向けにリーフレットを作成するという。
除外されるのは、中3の教科書で学習する漢字(国語)▽三平方の定理(数学)▽関係代名詞(英語)など。休校の影響に配慮し、中3の出題範囲を7カ月程度で学習できる分量に絞るための措置だという。除外された内容についても、卒業までに学習するよう求める。
都内の多くの中学校は、6月から段階的に授業を再開しているが、授業時間の確保が課題になっている。文部科学省は5月、都道府県教委などに対し、出題範囲や内容、出題方法について適切な工夫を講じるよう通知していた。
(2020.0611 朝日新聞デジタル)
学校で授業ができないから入試に出さない・・・
え? 学校で授業受けたとしても入試問題ってそんなに解けなくね?
愛知県の高校入試出題範囲はどうなる?
僕はマネしてほしくないと思っているのですが、結論として、愛知県も東京都と同じようにする可能性が高いと思います。
だって、「東京がやった」から。
愛知県はいつも東京をまるパク・・・いや失礼、東京様を実に見事に参考にさせていただいていますので。
愛知県独自の緊急事態宣言やら独自の休業協力要請という話も、ためにためてその「独自」の内容は東京都そっくりなだけでなく、その資料の中にさえ「東京都」の文字が輝くリスペクトぶり。
これこそ愛知県独自のスタイル。
絶対マネするでしょ。
入試の「出題範囲縮小」は愚の骨頂。
僕はこの「出題範囲縮小」という配慮は、とんでもなく愚かな判断であったと思っています。有識者が聞いてあきれます。全員尾木ママかとツッコミたくなります。(-“-)
冒頭で引用した記事にあったように、中3の教科書で習う漢字、三平方の定理、関係代名詞。それから理科では天体などが範囲から除外されるそうです。
中3の教科書で習う漢字・・・
東京都民の15歳は、学校で教わらなければ漢字を学ぶこともできないのですか?
そんなわけないでしょ。
なんの配慮?これ。
三平方の定理や関係代名詞なんて超重要単元をテストから除外して、もはや入試という大舞台を通り過ぎた後に、真剣に取り組むモチベーションを維持できるでしょうか。
競技大会で実施されなくなった種目を、出場した種目と同じモチベーションで、大会後にトレーニングできますかって話。
きびしーですよね。
入試が終わってから卒業までに学習するという東京都ですが、愛知県はそうもいきません。
愛知県は卒業してから入試が行われる、関東出身の僕には違和感を覚える入試スケジュールです。
内容を削って、高校へ持ち越しなんてことになったら、それはまるでゆとり教育時代の失敗をくり返そうとしているかのようです。
今までの話し合い重視、気づき重視の授業を変わらず行おうとしているから「終わらない」なんてことになるのであって、多少工夫すれば週に3時限も4時限も授業があって、教科書の内容が終わらないなんてことは絶対にないです。
おとなたちが配慮をしまくり負担を取り除いてやることだけがやさしさではないと思います。
大人たちも必死にこの難局を乗り切ろうと頑張る。だから君たちも、少し大変かもしれないが必死に頑張ってくれと忍耐と努力をさせることも立派な教育なのではないでしょうか。
真に優秀な人間は、自らの不遇を決して環境のせいにはしない。
残念ながら都立高校ではこのように出題範囲の縮小が決定したわけですが、私立高校はどのように判断するのでしょうか。
一部の学校では都立にならった何らかの措置をとるかもしれません。
それは世間の批判をかわすためだったり、うちは入学しやすいよーという受験者数を増やすための経営判断だったり、いろいろ私学にはそれぞれの事情があることでしょう。
でも僕は、特に成績上位校は範囲の縮小などしないと思います。
極端な例のほうがイメージしやすいと思うので、そんな例を出しますが、開成高校(全国で最も多数の東大合格者を輩出)が、「学校の授業が間に合わないかもしれないから」という理由で範囲を縮小すると思いますか?
そもそも入試では、学校で習う内容とはかけ離れたレベルの問題を出題しているのに?笑
大学だって同じだと思います。
慶応大学や早稲田大学を始めとした一流と呼ばれる大学が求めている学生は、仮に学校が長期の休校であったとしてもその境遇に屈せず、それを乗り越える方法を必死に模索し、見つけ出し、努力してきた人材なのではないでしょうか。
いや僕はそうであってもらいたい。
私立でなくて国立である東大や京大、名古屋大学であっても。
日本の最高学府の頂点に君臨する名だたる大学が、こぞって「かわいそうに」とその入り口を大きく開くようなことがないことを願います。
真に優秀な人間は、自らの不遇を決して環境のせいにはしない。
学ぼうと思えば学べたのです。
与えられなければ学べないなんてことは絶対にないはずです。
いずれにしても、出題範囲を変更しない学校が存在する以上、それに対応しようと努力する者とそうでない者とに分かれ、ますます学力格差は広がっていくことになるでしょう。
子どもたちのためにならない配慮、そして将来の社会のためにもならない配慮に、もしも愛知県が追従したとしても、僕は何度でも子どもたちに学ぶ意義を説き続けていきたいと思います。
それではまた。
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