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エッセイ「教科書が教えないリアル」

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【後編】塾長の半生・人生の分岐点となった受験の話|勉強の価値 | 学習塾カレッジ塾長 エッセイブログ

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29

2024.09

【後編】塾長の半生・人生の分岐点となった受験の話|勉強の価値

狭い世界の中で生きていた僕に、広い世界の片鱗を見せ、学ぶことの価値を確信させてくれたのは、まぎれもなく「あの受験」でした。

 

 

そんな僕の人生の分岐点となった受験の話の続きです。

 

 

 

「講師の代ゼミ」

 

僕は、当時三大予備校の筆頭に君臨した東京の代々木ゼミナール本校に通いました。

 

 

何も分かっていなかった1浪目では、たくさんの講座(授業)を申し込み、そのほとんどが消化不良で途中リタイアしてしまいましたので、2浪目は4講座に絞って受講しました。

 

 

自分が選んだ先生のうちの一人に、1浪目の最後に受けた模試の結果を見せにいきました。

 

 

総合の偏差値は39でしたが、恥かしいという感情は捨てたので、自分の目標と、何から始めたらよいかをストレートに相談しました。

 

 

先生は僕に「まず高校受験の問題集を徹底的にやり込みなさい」と言いました。つまり、中学生の勉強に戻れという意味です。

 

 

そして、先生は僕に言いました。

 

 

「お前さんは抜け落ちた小中高12年分の勉強をこの10か月でやるんだ。周りの奴らが積み上げてきた高さに追いつき追い越すには、お前さんは何もないことを自覚して、まずは中学の勉強を完全に身につけてこい。そのあと大学受験の話をしてやる。」

 

 

 

 

受験勉強、開幕。

 

僕の本格的受験勉強が幕を開けました。

 

 

朝は日の出とともに起き、始発に乗って出かけ、予備校の自習室に向かいます。片道約1時間半の電車の中では、授業を録音したテープを聞き、復習をしました。集中できるいい席を確保するために自習室が開く時間までドアの前の行列に並びながら勉強をしました。

 

 

中学生の勉強から始めますが、予備校の授業(大学受験の授業)は始まっています。いつまでも中学の勉強を並行しておこなっているわけにいかないので、1日でも早く高校受験の勉強を終えようと思っていました。1分も無駄にできなかったのです。

 

 

※当時僕が使っていた英文法の問題集とはちがいますが、今、英語に苦手意識がある大学受験生にはまず「大岩のいちばんはじめの英文法」をおすすめします。

 

 

国語は47都道府県の公立高校入試問題が載っている問題集を1日2都道府県と決めて取り組みました。間違えた問題だけでなく、意味が分からない語句を調べたり解説もしっかり読み込むとそれだけで3時間ほどかかりましたが、自習室に入ったら必ず最初にやる勉強として2か月間、欠かさずやりました。

 

 

国語の勉強は、他教科にも波及していい効果を生んだと思います。問題集や参考書の解説が言っていることが分かるのです。授業もそうです。日本語の説明なのに、よく理解できなかった時期もありましたが、いつの間にか論理的に理解する力が身についていました。

 

 

日本史は、いきなり入試問題をやるといろんな時代の問題が混在しているため、時代ごとに問題集を3冊(2冊がくり返し用、1冊が定着チェック用)使って、チェック用で9割正解できていたら先に進む方式で取り組みました。代ゼミの授業でより細かいことを習うので、その予習(予備知識の習得)としてもとても良かったです。

 

 

夏までに何回かの模試を受けましたが、まだ大きな成果は得られませんでした。

 

 

ただ、授業中に先生が「偏差値は勉強量に比例して伸びるものではない。なかなか伸びない時期を歯を食いしばって乗り越えて、ある日突然急上昇する。そこを待ちきれずに脱落していくヤツはいっぱいいるが、踏ん張れ、続けろ、必ず伸びると信じろ。」と言っていたことを信じていたので、動揺はしませんでした。もう1浪目の僕とは違うのです。

 

 

 

そして、先生の話が現実のものとなりました。秋になりかけたころに受けた全国模試で、日本史だけではありますが満点を獲得し全国順位1位、偏差値も70を超えていたのです。

 

 

泣きそうに嬉しかったです。満点は、後にも先にもこれ1回でしたが、僕は確かな手応えを感じました。

 

 

そうなってくると、もう勉強が楽しくて仕方がありません。勉強していく中で、もっと深く学びたいものにも出会い、志望学部が決まりました。

 

 

予備校の授業は学校よりもはるかにおもしろくて、先生は興味深い話をたくさんしてくれ、人としてのあり方も語ってくれました。

 

 

僕は受験勉強以外でも多くのことを学んでいきました。

 

 

 

成人式、捨てたはずの気持ちに揺れる。

 

 

1日に15~18時間の勉強は、僕の体力、そして精神力を恐ろしく衰えさせました。疲れと不安とあせりが勉強を空回りさせることもありました。

 

 

逃げ出したい。ちょっと休憩したい。

 

 

捨てたはずの気持ちが何度も浮上します。

 

 

友達のほとんどはすでに学生生活をエンジョイして、バイトでお金を稼いで、休日には恋人と遊びまわっています。結婚するなんて話も聞きました。

 

 

中でも最も辛かったのは、新年明けた1月中旬、2浪生ならだれでもぶち当たる最大の誘惑、成人の日

 

 

前日、式の後は同窓会をやるという情報を聞きました。(僕は双子の妹がいるので情報が入ってくるのです😓)

 

 

 

 

行きたい。ずっと一人で勉強してきた。1日くらい良いかな、みんなに会いに行こうかな。たくさん悩みました。

 

 

でも、僕の頭に鮮明に浮かぶものがありました。それは、小さな頃から、いろいろな人に言われてきた言葉でした。

 

 

人間、苦しいときが上り坂。

今一歩頑張ろう。今一歩。

 

 

僕の受験はまだ終わっちゃいない。本番を目の前にして、ここで気を抜いたら、すべてが崩れていきそうな気がしました。

 

 

僕は成人式の朝も、いつもどおり始発に乗って自習室へ向かいました。

 

 

電車の中から見たきれいな朝の月は、今でも忘れられません。

 

 

 

決戦の冬。入試スタート。

 

 

国語は偏差値70を超えるときもありましたが、60を下回ってしまうときもあり、なかなか安定しませんでした。日本史は毎回安定の偏差値70前後を保つようになり、僕の心の大きな支えとなりました。

 

 

一方で、英単語をノートに書きまくって覚えるという非効率な勉強をしてしまっていた僕は、英文法は何とか理解しているもののとにかく単語力がなく、英語は平均程度までしか伸ばすことができませんでした。加えて、古文がおもしろくなってしまい、英語をおろそかにしていた感は否めません。

 

 

僕は、入試までの残り2か月、英語の勉強をストップしました。受験科目の英語、国語、日本史のうち、国語と日本史の2教科でハイスコアを出して合格を勝ち取る作戦にしたのです。(今のように1教科受験や2教科受験など様々な入試方式が存在している時代ではなく、ほとんどの私大は3教科受験でした。)

 

 

かなりギャンブルではありますが、英語も0点ということはないだろうということと、赤本(過去問)に記載されていた合格最低点を、2教科で超える年もあり、時間のかかる英語の底上げをするより得意な日本史をより固め、国語を安定させることにしたのです。

 

 

 

 

 

いよいよ入試が始まりました。

 

 

日程上、僕の第一志望校は、すべての入試の最初の試験でした。

 

 

緊張しながら臨んだ最初の受験。頼みの日本史で、過去問ではほとんど出ていなかった古代の問題がガッツリ出題され、わずか4点たらずに落ちてしまいました。

 

 

ここで過ごす4年間を夢見て様々な困難を乗り越えてきただけにとても辛い気持ちになりました。

 

 

人生の勉強時間10か月というのは、難関大を目指すにはあまりにも短すぎました。多くの人たちが、小中高と日々積み上げてきたものをたった10か月で追い越すことはあまりにも虫の良いキリギリスすぎたのかもしれません。

 

 

僕は長い間積み上げてきた力を発揮して合格した人たちに敬意を払いつつ、それでも、「偏差値39だった僕が4点差まで迫った。たった10か月だけど振り向きもせず駆け抜けたことだけは胸を張れる。努力が無駄だったとは1ミリも思わない」と自分に言い聞かせました。

 

 

その後、MARCHに次ぐ中堅大学の合格を手に、僕の受験は幕を閉じました。第一志望ではなかったけど、僕の顔は、自分でも分かるくらい生まれて初めてのうれし涙にくしゃくしゃになっていました。

 

 

学ぶことの価値を確信した受験

 

いつからでしょうか、浪人しながら、将来僕は教師になりたいと思うようになりました。

 

 

それは勉強が得意になったからではありません。僕はずっと勉強が嫌いでした。その嫌いなことの中に僕は飛び込んでいきました。その中で楽しいと思うことや、興味をひかれもっと追究してみたいと思うことに出会いました。ずっと食わず嫌いしていたら、ありえなかったことです。

 

 

そして、その苦手で嫌いな勉強に必死に食らいついている自分を見て、何よりも、大きな「自信」を手に入れました。自分が苦手なことでも、こんなにも頑張れるんだ、こんなにも立ち向かっていけるんだという「勇気」のようにも思えました。

 

 

たとえ結果が思い通りにならなくても、夢中になって真剣に取り組み続けることが、これほどまでに大きな感動をくれ、自分を大きく変えることができるものだということを知ったのです。

 

 

 

そして、見える世界の違いを知りました。

 

 

まったく勉強していなかった時期の自分が見ていた景色と、受験が終わってみた景色。同じ景色を見ているのに入ってくる情報量がまるで違ったのです。

 

 

店舗、信号、広告、遺跡、自然現象、世の中のさまざまなものにそれぞれ理由や歴史があって、そこで働き、暮らす人たちの工夫があります。流れてくるニュース一つとっても、目に映り耳に入る以上の壮大な世界を見せてくれるようになりました。

 

 

その違いは、もしかしたらずっと勉強してきた人には気づきにくいものかもしれません。それが当たり前の景色だからです。

 

 

でも、幸か不幸か10か月という短期濃縮だったからこそ、僕は勉強する前と後とでは見える世界が激変することを確かに実感したのです。

 

 

見える世界が広ければ広いほど、幸せに豊かに生きるチャンスに気づきやすいし、手にする機会を増やせると思います。

 

 

勉強には、価値がある。

 

 

僕はそれを知らずに勉強から距離を置いて生きてきました。だからこそ、多くの子どもたちに伝えたいと思いました。

 

 

勉強には、価値がある。

 

何度でも伝えよう。

 

勉強には、価値がある。

 

 

それが、僕が教師になりたいと思った動機です。

 

 

 

これから受験を迎える人たちへ

 

高校は義務教育ではないから、別に行かなくてもいいところです。それでも君たちは高校進学の道を選びました。理由は何であれ、この道に進むと決めたなら、中途半端な終わり方はしないでほしいです。

 

 

いろんなものを犠牲にしていくはずです。仲のいい友達とずっと話をしていたい時間。好きな人とずっとずっと一緒にいたい時間。受験が間近になれば、そういう大切な時間をよりいっそう削って勉強していくことになるんです。

 

 

そのぶん、終わったときにめちゃめちゃ喜べなければ悔しいじゃないですか。ぶっ倒れるほど喜ぶためには、ぶっ倒れるほど頑張らなければだめです。

 

 

弱音は吐いてもかまいませんが、心と行動を止めるのはやめましょう。踏ん張って折れそうになってそれでも立ち上がり、たくさんの不安と闘いながらも最後まで必死に駆け抜けた受験であってください。

 

 

その経験は、人生の宝になります。

 

 

新たな夢を見つけたときに、臆することなく挑戦できる自信です。

 

 

そして、幸いにもあなたが今頑張っている勉強は、必ず価値のあるものです。

 

 

ぜひ、さらに広い世界を感じられる受験にしてください。応援しています。

 

 

 

半生3部作、最後はこちらです。👇

 


 

 

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執筆者の紹介

西川 賢

西川 賢(Ken Nishikawa)

株式会社カレッジ代表取締役
学習塾カレッジ塾長

慶應義塾大学 通信課程 文学部 第1類在学中。
真面目なのかふざけているのか分からない、忖度ひかえめなピリ辛スパイスがちょっとくせになる「教科書が教えないリアル」は、塾長の優しさとおふざけと強い信念がつまったエッセイブログです。月に1回程度のアップでも、おかげさまで年間PV200万😊
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