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エッセイ「教科書が教えないリアル」

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託された思い | エッセイ「教科書が教えないリアル」

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02

2017.09

託された思い

category: エッセイ

2007年 初夏。

 

授業が終わり、校舎には僕と、僕の先輩と後輩の3人がいた。

その後輩が先輩に何かを報告している。

 

「生徒が敷地の裏で…、を…見つけたらしいんですよ」

 

 

骨?

 

 

またまたぁ(^_^;)w

 

 

僕らは、興味半分恐怖半分の心持ちで “その場所” に向かった。

 

 

Σ(゚Д゚;)うっ!

 

一瞬、熱帯夜が凍り付くような寒気を感じた。

 

僕たちは、完全な「白骨遺体」を発見してしまったのだ。

 

1 (2)

 

 

でも、僕らは警察には届けなかった。

なぜなら、その白骨遺体は「猫」のものだったからである。

 

しかしむごい状態だ。

骨がむき出しになって、皮が地面にはりつきペチャンコになっている。
さらに、もともとこの猫をおおっていた毛が猫の白骨のまわりにカーペットのように散らばっていた。

 

・・・・いつからここにいたのだろう。

夏だから腐敗の進行が早いにしても、あの完全にミイラ化した様子は、最低でも死後1か月は経過しているのではないだろうか。

 

僕らはいったん校舎内に戻った。

敷地内で起きたこの異常事態を、知ってしまった以上は放置できない。

「白骨遺体処理…」

誰かがやらなければならない仕事。でも誰が?
当然の心境として、皆、進んでやりたいとは思わなかった。

ただ、このときの僕の頭の回転は速かった。

先輩にこの仕事をやらせるわけにはいかない。しかし、だからといってこれを後輩に押しつけてはいけない。

 

「僕やります」

 

自分でも驚くほど自然に言葉が出た。

もちろんこういうグロい系が得意というわけではない。ホラー映画も好きな僕としては、まぁ極端に苦手ということもないが。

ここで率先垂範した様子を後輩に見せて、この後輩にも新たに後輩ができたとき、今度は自分がその後輩に手本を見せてやってほしい。

 

途中、保健所の方に処理していただく案も出たが、公道ならともかく、敷地内ではダメなのではないかと勝手に推測して却下になった。

ガラケーの画面をささやかな照明がわりにして、深夜の遺体処理が始まった。

 

何となく呪いみたいのが怖く感じたので、あえて意識して心の中で何回もつぶやいた。

 

「ごめんな。気付いてやれなくて。ずっとこんなところにほったらかして、ごめんな。」

 

 

へばりついた毛や皮がなかなか取れない。
小さなスコップで、床にこびりついたガムをはがすときのように隅からガシガシと削っていく。

ふわ~っと悪臭が漂う中、なんとかすべて箱に詰め終わり、正面玄関の方に回ると、たくさんの猫たちが集まってきていた。

そんな様子を見て一緒に見ていた先輩がつぶやいた。

「仲間をちゃんとしてくれてありがとうって言ってるんだよ」

呪いにおびえる心境とは真逆の発想のその言葉に、僕は救われる思いがした。

 

僕は手に持っていた猫の骨などの残骸をゴミ袋に移し、近くのゴミ置き場に持って行ったが、翌日がゴミの日ではないことに気が付いた。ここで一抹の不安がよぎった。

「ゴミの日じゃないのにゴミを出してるやつがいる」ってことで、誰かが袋を開けたりして、中の死体を確認したとする。

出所が分かるようなものは何も入っていないが、誰が見ているか分からないし、どこからどう情報が回るかも分からない。

近くの公園に埋めることも、自分の中で却下した。子どもたちが掘り起こしたとき骨と腐った肉が見つかったら心に傷が残りかねない。

校舎にもどって、先輩に相談した。その結果、ゴミの日まで倉庫に眠らせておくことになった。

ものすごく精神的疲労を感じたが、後輩に対して示した姿勢としては、いい仕事をしたのではないかと思った。

 

とりあえず解決ということで、敷地内の駐車場から公道へ出るために少し車を進ませた。

 

そして、僕は驚くべき光景を目にした。

 

1,2,3,4,・・・・えっΣ(・∀・|||)

 

10匹は下らないと思われるたくさんの猫が、地面に座って一同に僕の方を見ながら鳴き声を上げている。

 

 

ミャー

ニャー

ミャー

 

明らかに僕の方を見てニャーニャー叫んでいるように見える。

 

12121

 

 

思えば、1か月くらい前からやけにたくさんの野良猫を見かけるようになっていた。

ときには、車の下はもちろん、車のボンネットの上に乗ってニャー×10と鳴いていることもあった。

 

僕は思った。

 

何らかの原因で仲間が死んでしまった。

しかし、猫である自分たちにはどうすることもできない。

だから、人間に、仲間の死を伝えようとしていたのではないか。

仲間が、夏の日差しに照りつけられ、雨に打たれて蒸し暑い中むごい姿に腐敗していくようすを見るに見かねて、人間に何とかしてほしいと思っていたのではないか。

 

先輩の言葉が脳裏によみがえった。

 

「仲間をちゃんとしてくれてありがとうって言ってるんだよ」

 

本当にそうなのか。

それは僕の独善的な思い込みかもしれない。

 

ただ、ひとつだけ確かなことがある。

 

その日を境に、毎日あれだけ群がっていた猫たちが姿を消したのだ。

 

 

 

(おわり)

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